2010 Fiscal Year Annual Research Report
高度好熱菌とそのファージのポストゲノム研究に有用な遺伝子組換え技術の開発
Project/Area Number |
20570156
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
玉腰 雅忠 東京薬科大学, 生命科学部, 准教授 (10277254)
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Keywords | 高度好熱菌 / 線毛 / 染色体工学 / 挿入配列 |
Research Abstract |
垣超分子口体のモデルとして毛形成装置複合体を対象とし、FLAGタグを付加した複合体を発現する好熱菌株を作製していた。前年度はその好熱菌株の膜画分を調製し、FLAG抗体を用いたウェスタンブロット解析により特異的なバンドが検出できることを示した。本年度はそれを発展させ、線毛形成装置複合体の組成を明らかにするため、以下のようにプルダウンアッセイを行った。まず好熱菌株を超音波破砕後、遠心分離して膜画分を得た後、界面活性剤により可溶化した。それを抗FLAG抗体ビーズと反応させ、洗浄後、FLAGペプチドを用いて抗体に結合する蛋白質を溶出した。電気泳動と染色を行い、野生型線毛装置を発現する好熱菌株と比較したところ、タグ付加複合体を発現する好熱菌株に特異的なバンドが数本検出された。これらのうち、約80kDa付近のバンドを質量分析したところ、タグを付加したサブユニットである外膜タンパク質PilQであることがわかった。また約20kDa付近のバンドを同様に質量分析したところ、可溶性のタンパク質であることがわかった。このタンパク質が本当に線毛形成装置の一部なのか、あるいは単なる混入物なのかを今後検討する必要がある。またこれら以外にも特異的なバンドが見られたので、順次同様に解析して複合体を形成するサブユニットを同定する予定である。 一方、アミノ酸要求性の好熱菌変異株を取得し、その変異部位を調べたところ、ロイシン合成酵素をコードする遺伝子に約Insertion Sequence(IS)が挿入されていることがわかった。ISはゲノム中にランダムに転移するが、その性質を利用した遺伝学的研究手法が他の生物種で用いられている。好熱菌ではISを利用した遺伝学的手法がないが、このISを改良すれば有用なツールとなるだろう。
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Research Products
(7 results)