2009 Fiscal Year Annual Research Report
顕微光学法による神経-免疫シナプス構築の分子機構とその機能解析
Project/Area Number |
20570157
|
Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
古野 忠秀 Aichi Gakuin University, 薬学部, 准教授 (80254308)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 守 愛知学院大学, 薬学部, 教授 (90090472)
伊納 義和 愛知学院大学, 薬学部, 助教 (90434547)
|
Keywords | 神経細胞 / マスト細胞 / 接着分子 / カルシウムシグナル / CADM1 / 画像解析 |
Research Abstract |
神経系と免疫系の間には密接な相互作用が存在し、両者の相互作用が生体機能を巧妙に調節していることが明らかになりつつある。我々は、上頸神経節(SCG)とマスト細胞が接着分子N-cadherinやCADM1のそれぞれホモフィリックな結合を介して接着し、サブスタンスPやATPをメディエーターとした効率のよい情報交換を行っていることを明らかにしてきた。また、昨年、後根神経節(DRG)にはCADM1の発現量が少ないが、別の接着分子であるnectin-3を発現しており、この蛋白質がマスト細胞のCADM1とヘテロフィリックに結合することにより、DRGとマスト細胞の接着と相互作用が効率的に行われていることを明らかにした。ところで、最近になって、CADM1にはいくつかのスプライシングバリアントが存在し、興味深いことに、それらの発現がマウスの発生過程で脳において異なることが明らかになってきた。そこで、CADM1のスプライシングバリアントが神経細胞とマスト細胞の相互作用に及ぼす影響を追究した。CADM1のスプライシングバリアントを発現させた神経芽細胞腫(Neuro2a細胞)を用いて、マウスの生後2週目以降に発現するスプライシングバリアント(isoform D)を発現させたマスト細胞株IC-2細胞との相互作用を追究した。相互作用効率は、Neuro2a細胞とIC-2細胞を共存培養した後、Neuro2a細胞を特異的に活性化した時のIC-2細胞のカルシウム上昇率を顕微光学法によって測定して算出した。その結果、isoform Dを発現させたNeuro2a細胞とIC-2細胞を共存培養した時のIC-2細胞の応答率が最も高いことが明らかになった。
|