2008 Fiscal Year Annual Research Report
クロモキネシンKidによる分裂後期コンパクションの分子メカニズムと意義
Project/Area Number |
20570161
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大杉 美穂 The University of Tokyo, 医科学研究所, 准教授 (00332586)
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Keywords | 細胞生物学 / クロモキネシン / 核膜形成 |
Research Abstract |
遺伝情報を正しく分裂後の娘細胞へと受け継ぐためには、分配された1組の染色体ずべてが1つの娘細胞核内に収まることが必須である。研究代表者はクロモキネシンKid/Kinesin-10が後期染色体コンパクションと呼ばれる染色体の一塊化を担うことで、正常な核形成を保証していることを明らかにした。本研究はKidが後期染色体コンバクションを引き起こすメカゴズムを明らかにすることを目的としている。本年度はまず、Kidによるコンパクション能に、a)モーターとしての運動能,b)Kidに高い微小管結合能を与える第二微小管結合部位c)coiled-coil領域を介した多量体化能d)染色体結合能が必要かどうかを検討するため、まずはKid欠損細胞(Kid-/-MEFおよびkid-RNAi HeLa細胞)に対しそれぞれの能力を欠損した変異体を発現させ、レスキュー能を検討した。その結果、体細胞分裂を行う培養細胞では評価が難しいことがわかり、以下に記載する理由により、最もKidによるコンパクションの影響を評価し易いと考えられる未受精卵を使用した解析に着手した。 また、Kidによる分裂後期染色体のコンパクションメカニズムとして、a)染色体腕の短縮b)隣接する染色体の接着の二つが主要な候補として考えられた。本年度は、野生型およびKid欠損卵を用いた解析を行い、少なくとも卵減数第二分裂後期〜全核形成に至る過程においては、b)のメカニズムが強く示唆される結果を得た。
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Research Products
(3 results)