2008 Fiscal Year Annual Research Report
姉妹染色体分離期において染色体末端テロメアが果たす機能の解明
Project/Area Number |
20570165
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加納 純子 Kyoto University, 大学院・生命科学研究科, 助教 (10323809)
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Keywords | テロメア / 細胞分裂 / リン酸化 / Cdc2 |
Research Abstract |
染色体末端に存在する特殊な構造体であるテロメアは、ゲノム維持、減数分裂、細胞老化のタイミングなどの様々な生命現象において重要な役割を果たすことが知られている。しかし、テロメアが細胞周期の細胞分裂期においてどのような機能を果たすのかについては、ほとんど知見が得られていない。そこで我々は、分裂酵母のテロメア結合タンパク質の中でも、様々なテロメア機能の中心的役割を果たしているRap1タンパク質に注目して解析を進めた。その結果、Rap1は細胞分裂期特異的に高度にリン酸化されることがわかった。どの部位がリン酸化されているかを調べるため、質量分析によってリン酸化部位を検索したところ、非常に多くの部位がリン酸化されうることがわかった。その中で、Cdc2によってリン酸化される部位について調べたところ、少なくとも4つが細胞内においてリン酸化され、そのうち3つが細胞分裂期特異的にリン酸化されていることが示唆された。さらに、他の部位の一つも細胞分裂期特異的にリン酸化されることがわかった。まだ他にも同定されていないリン酸化部位があることがウエスタン解析によって明らかにされたので、現在、網羅的にリン酸化部位を同定する実験を行っている。一方、Rap1は細胞分裂期特異的にテロメアから局在が少なくなる傾向にあることが顕微鏡観察から示唆された。Rap1のリン酸化と局在との関わりについて今後調べていく予定である。
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