2010 Fiscal Year Annual Research Report
大腸菌100Sリボソームの構造と形成および解消機構の解明
Project/Area Number |
20570167
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
吉田 秀司 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (60288735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧 泰史 大阪医科大学, 医学部, 講師 (60401733)
境 晶子 大阪医科大学, 医学部, 助教 (30225750)
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Keywords | 100Sリボソーム / 大腸菌 / 極低温電子顕微鏡 / ストレス応答 / リボソームサイクル / 翻訳因子 |
Research Abstract |
100Sリボソームの極低温(Cryo)電子顕微鏡による構造解析 大阪大学難波研究室の協力を得てCryo電子顕微鏡による大腸菌100Sリボソームの観察を実施した結果、70Sリボソームには存在しない領域に電子密度が観測された。そこで、この追加成分の同定を試みた。まず、対数増殖期の70Sリボソームに含まれる蛋白質を二次元電気泳動法で解析した。泳動には塩基性蛋白質の分離に優れたRFHR法を用いた。そして定常期において形成された100Sリボソームの蛋白質も解析し、対数期の70Sリボソームのものと比較した。その結果、複数の蛋白質スポットの変化が認められたが、その殆どは既知のものであり、追加成分の予想分子量の領域には変化がなかった。従って、未知の追加成分が蛋白質である可能性は低いと考え、次にリボソームに結合しているRNAを調べた。蛋白質の解析と同様に調製した試料を、低分子RNAを分離できる核酸泳動法を用いて解析した。その結果、100Sリボソーム特異的に現れるRNAバンドの存在を確認した。現在、このRNAを解析中である。 新規リボソーム結合蛋白質の探索 定常期特異的にリボソームに結合することを発見したYqjDの性質を調べた。その結果、以下のことが明らかとなった。(1)yqjD遺伝子を欠損しても明確な形質変化は現れなかった、(2)yqjD遺伝子を大量に発現すると生育阻害が見られた、(3)膜結合モチーフをもつC末端ドメインを欠損しても生育阻害が見られたが、N末端ドメインを欠損すると生育阻害が見られなくなった。現在、YqjDのN末端がリボソームの活性に影響を与えると予想して、機能を調べている。
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