2009 Fiscal Year Annual Research Report
セントロメア構築の基盤をなすヒストンの脱アセチル化
Project/Area Number |
20570169
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
山尾 文明 National Institute of Genetics, 分子遺伝研究系, 教授 (10158074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筒井 康博 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教 (00390625)
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Keywords | 遺伝学 / 遺伝子 / 核酸 / タンパク質 |
Research Abstract |
分裂酵母のDNA複製因子であるMcl1蛋白質が、セントロメアのキネトコア、ヘテロクロマチンの両方の領域で、その特異構造の維持に必須であること、この因子の欠損により、キネトコア領域へのSpCENP-Aのローディングが顕著に欠損していること、Mcl1がDNA複製装置の因子であること、その欠損によりアセチル化H3、H4が蓄積するというこれまでの観察を統合的に考えて、複製時におけるヌクレオソームの再構成ないしは分配、及び新規ヒストンの取り込みが脱アセチル化反応で制御され、DNA複製とカップルして統御されているというモデルを考えた. ・関与するヒストン脱アセチル化酵素HDACを検討し、Mcl1変異株のセントロメアcnt領域にアセチル化されたヒストンH3、H4が蓄積することはMis16-Mis18の変異と酷似した表現型で、Mcl1の変異に起因するcnt領域の遺伝子サイレンシングの解除は、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)であるSir2、Clr3を過剰生産することで部分的に抑制されることを確認した.また、Hst 2、Hst 4はMcl1と薬剤(TBZ)耐性の表現型が酷似し、Clr3、Clr6は遺伝子サイレンシングの表現型をMcl1と共有することを確かめた. ・複製装置の中でMcl1が機能していると考えられるが、その実際はよく理解できていない.そこで複製装置の如何なるタンパク質と相互関係を有するかを決めていくために、Mcl1タンパク質と複合体として免疫的に共沈してくるタンパク質群を検証したところ、MCMヘリカーゼタンパク質群、GINS複合体タンパク質群、CENP-Bタンパク質が同定できた.
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Research Products
(3 results)