2009 Fiscal Year Annual Research Report
複製スキャフォールドを構成するAND-1タンパクによるゲノム安定性維持機構の解明
Project/Area Number |
20570173
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
吉沢 直子 Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research, 東京都臨床医学総合研究所, 主任研究員 (30344071)
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Keywords | 複製フォーク / 複製チェックポイント / 複製ストレス / AND-1 / Timeless / 姉妹染色体交換 / 修復組換え / ゲノム安定性 |
Research Abstract |
複製フォークはゲノムDNAの二本鎖DNAが開裂された独特の不安定なDNA構造を呈し、巨大なDNA-タンパク質複合体を形成していると考えられる。本研究では昨年度までに、酵母Ctf4/Mcl1のヒト機能ホモログAND-1が、正常時の複製だけでなく複製停止や紫外線照射により誘導される複製チェックポイントの活性化に必要であることを見いだした。また、二重鎖切断により誘導される損傷の組換え修復効率はAND-1に依存することを明らかにした。本年度は、ヒトAND-1の複製ストレス後の動態に着目して解析を行った。その結果以下のことを明らかにした。1.ヒトHeLaS3細胞では複製停止時にAND-1タンパク質の319-351aaおよび391-429aaの領域がリン酸化されることを質量分析により同定した。これらの部位は種を超えて保存されているWD反復モチーフの下流で酸性アミノ酸に富む領域である。現在、この部位を欠損する変異体の安定発現株を樹立し、siRNAによる発現抑制を相補するか解析中である。2.AND-1の発現を抑制したHeLa細胞では、正常な複製時に自然発生する姉妹染色体交換(SCE)の頻度が低下することを見いだした。興味深いことにこの結果は別のフォーク因子であるTimelessの発現抑制によりSCEの頻度が著しく亢進する(Urtishakら,2009,および吉沢ら,未発表)のと逆の効果であった。このことはフォーク構成因子が複製停止後に組換え修復などの応答において協同的に働くだけでなく、時には競合的にゲノムDNAに作用して細胞の運命を決定するメカニズムが存在することを示唆する。 今後は複製フォーク因子群がどのように複製ストレス後の細胞を導くか、そのメカニズムについてチェックポイント制御因子や修復因子との機能的相互作用を解明し、ゲノム情報の恒常性を維持する機構を明らかにする。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Eukaryotic DNA Replication : where, when and how?2010
Author(s)
Masai, H., Matsumoto, S., You, Z., Yoshizawa-Sugata, N., Oda, M.
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Journal Title
Peer Reviewed
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