2009 Fiscal Year Annual Research Report
新たなリン酸化プロテオミクスによる細胞内キナーゼ基質の網羅的同定と機能解析
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20570177
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
小迫 英尊 The University of Tokushima, 疾患酵素学研究センター, 准教授 (10291171)
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Keywords | プロテインキナーゼ / プロテオーム / リン酸化 / MAPキナーゼ / 核膜孔複合体 / 核-細胞質間輸送 / siRNA / セミインタクト細胞 |
Research Abstract |
本研究では、IMAC、2D-DIGE技術、抗リン酸化モチーフ抗体などを組み合わせた独自のリン酸化プロテオーム解析法を発展させ、ERK/MAPキナーゼをはじめとする複数のプロテインキナーゼの基質を網羅的に同定し、興味深い新規基質についてリン酸化制御とその生理的意義を解明することを目標としている。昨年度までに、Nup50、Nup153、Nup214などの核膜孔複合体構成因子(ヌクレオポリン)のFGリピート領域をERKがリン酸化することにより、importin-βファミリーの輸送因子との結合が特異的に阻害されることを明らかにした。本年度はまず、Nup50およびNup153をsiRNAによってノックダウンしてからERK経路を活性化または阻害後、セミインタクト細胞を調製してin vitro核内移行アッセイを行ったところ、Nup50をノックダウンした細胞ではERK活性化によるGFP-importin-βの核内移行の阻害がキャンセルされることを見出した。Nup153をノックダウンした場合にはERK活性の有無に関わらずGFP-importin-βの核内移行が抑制されていた。さらにNup50をノックダウンした細胞にNup50の野生型またはリン酸化部位の変異体でレスキューする実験により、ERK活性化によるGFP-importin-6の核内移行の阻害にNup50のリン酸化が関与することが明らかとなった。従って、ERKがヌクレオポリンのリン酸化を介して核-細胞質問輸送を制御する可能性が高まった。
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Research Products
(6 results)