2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20570181
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
久本 直毅 Nagoya University, 理学研究科, 准教授 (80283456)
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Keywords | C.elegans / JNK / RNAi |
Research Abstract |
JNK型MAPキナーゼカスケードは種を越えて保存されたシグナル伝達経路であり、ストレス応答やアポトーシスなどさまざまな生命現象に関与することが明らかになっている。しかし、その上下流および周辺因子についてば不明の部分が多い。本研究は、線虫をモデル動物として、JNKカスケードの上下流および周辺因子をゲノムワイドかつ詳細に解析することにより、その全貌を明らかにすることを目的とする。本年度は、線虫JNKカスケードのひとつであるMLK-1(MAPキナーゼキナーゼキナーゼ)-MEK-1(MAPキナーゼキナーゼ)-KGB-1(MAPキナーゼ)からなるJNK MAPキナーゼカスケードの上流で機能する因子としてMAPキナーゼキナーゼキナーゼキナーゼMAX-2を同定し、さらにその上流で低分子量G蛋白質MIG-2が機能することを見いだした。MIG-2はMAX-2に結合すること、MAX-2はMLK-1の活性化ドメインをリン酸化してこれを活性化することにより、いずれも線虫の重金属耐性に必要であることを明らかにして、論文として報告した。また前年度までに、MAPキナーゼホスファターゼVHP-1の変異体を用いて、KGB-1カスケードの周辺因子の網羅的RNAiによるスクリーニングを線虫のほぼ全遺伝子について行い、複数の因子を同定していた。本年度はこれらの因子について変異体を単離あるいは取得して更なる解析を行った。その結果、KGB-1経路の因子以外に、DLK-1(MAPキナーゼキナーゼキナーゼ)-MKK-4(MAPキナーゼキナーゼ)-PMK-3(MAPキナーゼ)からなるp38MAPキナーゼカスケードの因子も単離されることを確認した。生化学的解析によりVHP-1はKGB-1だけでなくPMK-3とも結合したことから、VHP-1はKGB-1とPMK-3の両方に作用する可能性が新たに示唆された。
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Research Products
(4 results)