2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20570181
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
久本 直毅 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (80283456)
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Keywords | C.eelgans / JNK / RNAi |
Research Abstract |
JNK型MAPキナーゼカスケードは種を越えて保存されたシグナル伝達経路であり、ストレス応答やアポトーシスなどさまざまな生命現象に関与することが明らかになっている。しかし、その上下流および周辺因子については不明の部分が多い。本研究は、線虫をモデル動物として、JNKカスケードの上下流および周辺因子をゲノムワイドかつ詳細に解析することにより、その詳細を明らかにすることを目的としていた。本年度は、MAPキナーゼボスファターゼVHP-1の変異体を用いた網羅的RNAiによるスクリーニングにより、線虫JNKカスケードの周辺で機能する因子として同定された転写メディエーター複合体について解析を行った,,線虫JNKカスケードの因子の変異体は、いずれも重金属に対して感受性を示すことが分かっている。そこで、転写メディエーター複合体の変異体についても重金属感受性を調べたところ、部分的な感受性を示した、しかし、遺伝学的解析から、転写メディエーター複合体は線虫JNK経路とはパラレルに重金属耐性を制御していることが判明した。またそれとは別に、網羅的RNAiスクリーニングで同定された新規一回膜貫通型蛋白質についても解析をおこなった。その結果、この膜蛋白質をコードする遺伝子の変異体では、通常の飼育条件におけるJNKの活性がほぼ消失していた。しかしこの変異体は重金属に対する感受性は示さず、さらに重金属によるJNKの活性化も起きていた。これらのことから、この新規膜蛋白質は、通常の飼育条件下での線虫JNKカスケードの活性に必要であるが、重金属によるJNKの活性化はこの膜蛋白質とは別の因子により行われていることが示唆された。
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