2008 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリア形態制御因子の網羅的検索とその機能解析
Project/Area Number |
20570185
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岡 敏彦 Kyushu University, 医学研究院, 准教授 (40263321)
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Keywords | ミトコンドリア / オルガネラ形態 |
Research Abstract |
A)ミトコンドリア形態関連遺伝子のスクリーニングの継続と完了 本研究で用いられる線虫(C. elegans)は、GFPとの融合したTom20が筋肉(体壁筋)または腸に特異的に発現している形質転換体で、顕微鏡で可視化ミトコンドリアが観察できる。RNA干渉法により個別に遺伝子発現を抑圧できるライブラリーを用いて、可視化されたミトコンドリアの形態に影響を与える遺伝子を全ゲノムレベルで網羅的に検索・同定している。平成20年度はスクリーニングが完了し、解析結果を論文として報告した。 B)新規ミトコンドリア関連遺伝子K11H12.8/MICS1の解析 上記のスクリーニングよりこれまで見つかった新規ミトコンドリア形態関連因子の中で、K11H12.8は、RNA干渉法によりネットワーク上に多くのドットを形成するという特有の形態を示す。私たちはヒトHeLa細胞よりK11H12.8の相同遺伝子をクローニングし、MICS1と名付けた。この遺伝子の発現抑制は、予想通りHeLa細胞のミトコンドリアのネットワーク上に多くのドットを形成するという特有の表現型を示し、また、アポトーシス誘導時のシトクロムCのミトコンドリアからの遊離を制御していることも明らかとなった。これらの結果をまとめた論文を昨年報告した。 C)ミトコンドリア形態に関わる分子モータータンパク質の解析 本研究のスクリーニングでミトコンドリア形態維持に重要なキネシン分子として線虫KLP-6が同定された。我々はラットcDNAよりその相同分子のクローニングを試み、全長を含むDNA断片を得ることに成功した。現在は、その機能解析を進めている。
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