2009 Fiscal Year Annual Research Report
普遍的な極性制御タンパク質キナーゼ、PAR-1の上皮細胞極性制御機構の研究
Project/Area Number |
20570186
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
鈴木 厚 Yokohama City University, 医学研究科, 准教授 (00264606)
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Keywords | 細胞極性 / PAR / aPKC / 微小管 / 上皮細胞 |
Research Abstract |
今年度も、新規PAR-1b結合タンパク質、p250の解析を精力的に進めた。その結果、下記のような諸点が新たに判明した。(1)培養上皮細胞におけるp250のlateral微小管への局在は、PAR-1b高発現によって、そのキナーゼ活性依存的に促進されることを見いだした。(2)PAR-1bがその結合部位近傍においてp250をリン酸化することを明らかとし、そのリン酸化部位を同定した。(3)機能未知であるp250の活性の解明を進め、この分子がN末端のcoiled-coil領域を介して自己会合をすること、さらに、C末端のリジン、アルギニン頻出ドメインを介して微小管と共局在するとともに、微小管の安定化を顕著に進めることも明らかとした。一方、本年度は新たに、p250が上皮細胞極性のみならず、神経細胞極性、および細胞分裂においても重要な役割を果たしていることを示唆する結果も得た。これらの知見を基礎として、最終年度に向けて、この分子がPAR-1bとともにいかなる機能を発揮しているのか、その分子寄稿に迫る予定である。 一方、1)PAR-1によるラミニン受容体複合体、Utrophin/Dystroglycan複合体の制御の分子機構に関する研究を一歩進め、論文を発表するとともに、2)aPKC//PAR-6複合体とPAR-3が動的に相互作用し、初期接着部位において三者複合体を形成することが、上皮細胞のapical膜形成促進に重要な役割を果たしていることを明らかとして論文を発表した。
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