2010 Fiscal Year Annual Research Report
普遍的な極性制御タンパク質キナーゼ、PAR-1の上皮細胞極性制御機構の研究
Project/Area Number |
20570186
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
鈴木 厚 横浜市立大学, 医学研究科, 准教授 (00264606)
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Keywords | 細胞極性 / aPKC / PAR / 上皮細胞 / 微小管 |
Research Abstract |
引き続きPAR-1b新規結合タンパク質,p250の解析を集中的に進め、この分子が全く新しい微小管結合タンパク質であることを明らかとした。p250はそのC末端のリジン・アルギニンに富んだ領域(KR領域)を介して微小管に直接結合するとともに、この領域を介して間期においては核周囲を籠上に取り囲む微小管と、そして細胞分裂期中期には紡錘体極、細胞質分裂後にはmidbodyにおける微小管と共局在を示すことが判明した。RNA干渉法によって発現抑制すると間期の籠上微小管、あるいは分裂期の紡錘体微小管の形成が乱れることから、細胞内における微小管構造の形成に重要な寄与をしていることが示された。実際、p250ノックダウン細胞ではM期の進行が遅れることをHela細胞の細胞分裂ライブイメージングによって確認した。一方、上皮細胞においては、PAR-1がラテラル膜上だけでなく、ラテラル微小管上にも局在することを明らかにし、p250がPAR-1bをこの上皮特有な微小管構造にリクルートする機能を果たしている可能性を示唆する結果も得た。p250の発現が小脳に高く、また、核周囲の籠上微小管が小脳顆粒細胞の運動に重要な寄与をしていることがすでに報告されていることから、p250がこの過程に重要な寄与をしている可能性を考慮し、マウス初代培養系を用いた実験を開始した。また、p250ジーントラップマウス2種を入手し、その個体レベルの形質異常の検討も開始した。
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Research Products
(8 results)