2009 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体サブコンパートメント(ER exit site)の構築機構
Project/Area Number |
20570190
|
Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
谷 佳津子 Tokyo University of Pharmacy and Life Science, 生命科学部, 教授 (40266896)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有光 なぎさ 東京薬科大学, 生命科学部, 助教 (40408688)
|
Keywords | 小胞体 / 小胞輸送 / ノックアウトマウス / 精子形成 / ペルオキシソーム |
Research Abstract |
ER exit siteは、小胞体からのタンパク質輸送を媒介するCOPII小胞が形成される小胞体膜上の領域である。ER exit siteの構築機構や生理的意義に関しては未だ不明な点が多い。本研究ではER exit siteの構築に関与するp125とSec16A、またそのホモログであるSec16B/KIAA1928pに関して解析を行い、21年度は以下の結果を得た。 1.p125の解析 p125ノックアウトマウスの解析を行った。成熟精子の観察から、ノックアウトマウスの精子ではアクロソームが正常に形成されないことがわかった。精子形成過程を調べたところ、ノックアウトマウスの精原細胞・精細胞ではER exit siteとゴルジ体の構造異常が観察され、また、小胞体ストレスによって誘導を受けるGrp94の量が増加していた。これらの結果よりp125ノックアウトマウスでは精原細胞・精細胞において小胞体からの輸送阻害が生じ、アクロソームの形成不全による不妊につながる可能性が考えられた。 2.Sec16AとSec16B/KIAA1928pの解析 Sec16B/KIAA1928pの発現を抑制すると、ペルオキシソーム膜形成に関与するPex16タンパク質が小胞体に蓄積することがわかった。Sec16Aの発現抑制ではこの現象は見られなかった。この結果はSec16Bが小胞体からペルオキシソームへの輸送に関わる可能性を示す。酵母Two-hybrid法、GST pull-down法を用いてSec16B/KIAA1928p結合タンパク質の探索を行ったが、新規結合タンパク質の同定には到らなかった。
|
Research Products
(4 results)