2010 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体サブコンパートメント(ER exit site)の構築機構
Project/Area Number |
20570190
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
谷 佳津子 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (40266896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有光 なぎさ 東京薬科大学, 生命科学部, 助教 (40408688)
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Keywords | 小胞体 / 小胞輸送 / ノックアウトマウス / 精子形成 / ペルオキシソーム |
Research Abstract |
ER exit site(ERES)は、小胞からのタンパク質輸送を媒介するCOPII小胞が形成される小胞体膜上の領域である。ERESの構築機構や生理的意義に関しては未だ不明な点が多い。本研究ではERESの構築に関与するp125とSec16A・Sec16Bに関して解析を行い、22年度は以下の結果を得た。 1. p125の解析 p125ノックアウトマウス(KO)由来の胎児繊維芽細胞(MEF)を用い、VSVGタンパク質の小胞体からの輸送を解析した。その結果、大量のVSVGが輸送基質として存在する場合、KOマウス由来のMEFではVSVGが細胞内に蓄積し、会合体を形成することがわかった。VSVGの量が低い場合にはこの現象は見られず、その輸送に野生型MEFとの間で違いは見られなかった。このことは、p125KOマウス由来のMEFでは、大量の輸送基質に対応する能力が低下していることを示す。p125KOマウス由来の海馬細胞および皮膚織維芽細胞の解析を行ったが、野生型マウスとの間に差は見られなかった。 ERESは輸送タンパク質量の変化に応答して、数と大きさが調節される。HeLa細胞においてp125をRNAi法でノックダウンすると、この応答が低下することがわかった。 2. Sec16A・Sec16Bの解析 Sec16Bの発現を抑制すると、ペルオキシソーム膜形成に関与するPex3の量が減少すること、プロテアソーム阻害剤であるMG132を添加することによりその減少が回復することがわかった。Sec16B発現抑制時に小胞体から輸送できなくなったPex3が、ユビキチンプロテアソーム系によって分解される可能性が考えられる。また、photoactivatable-GFPと融合させたPex16を用いて解析を行い、Sec16B発現抑制時にPex16が小胞体に蓄積することを示唆する結果を得た。
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[Presentation] KIAA0725p/DDHD2, a mammalian Golgi-associated phospholipase A1, regulates membrane trafficking from the Golgi apparatus to the plasma membrane.2010
Author(s)
Inoue, H., Sato, S., Kogure, T., Arimitsu, N., Tagaya, M., Tani, K.
Organizer
Sapporo International Cancer Symposium 2010 "Membranetraffic and Cancer"
Place of Presentation
Sapporo
Year and Date
20100627-20100629
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