2008 Fiscal Year Annual Research Report
脊椎動物胚の脳原基部域化を支配するシグナルセンターの形成制御機構
Project/Area Number |
20570197
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
弥益 恭 Saitama University, 理工学研究科, 教授 (60230439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 哲規 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (10466691)
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Keywords | 脳形成 / ゼブラフイッシュ / 中脳後脳境界 / 前方神経境界 / Fgf8 / Gbx2 / 転写制御 / 脊椎動物 |
Research Abstract |
(1)前年度までの研究で、ゼブラフィッシュfgf8遺伝子の中脳後脳境界(MHB)特異的転写が遺伝子下流のS4.2領域により制御されること、脊椎動物で保存されている非翻訳領域DCR3がS4.2の転写調節活性を担うことを明ちかとした。本年度、ゼブラフィッシュのfgf8とfgf8.2、メダカfgf8.2、マウスF8f8の下流にあるDCR3をheat shock promoter制御下にあるegfp遺伝子とともにゼブラフィッシュ胚に導入したところ.すべてのDCR3について、MHB等で蛍光が観察された。また、ゼブラフィッシュfgf8のDCR3内に見られる機能的Pax結合配列、そして中脳、後脳での異所的発現を抑制する#2c領域が、他種fgf8のDCR3にも存在することも確認した。従ってDCR3によるMHB特異的転写活性化は脊椎動物で共通といえる。 (2)Otx2とともにMHBの決定を制御するGbxタンパク質の分子的機能を知るため、Gbx2遺伝子に様々な欠失を導入し、mRNA微小注入による脳形成への効果を形態的、分子的に検討した。その結果、N末領域、C末領域がいずれもGbx2の前中脳抑制効果を担うこと、N末領域ではEhl配列がこの抑制活性に関与することを明らかとした。さらに、Eh1配列に隣接する介在配列(1配列)はGbx2の前脳形成抑制能に関与すう一方、中脳の小脳化を抑えていることを示唆した。 (3)fgf8の下流に存在する脊椎動物間で保存された配列5カ所の中、2ヵ所について、体節形成終了期に終脳前端(ANB領域)で転写を活性化する機能を見いだしており、詳細な転写調節能の検討のため、現在トランスジェニック系統を作製中である。また、やはりANB形成べの関与が予想されるemx3遺伝子についてANBエンハンサーを見いだし、その機能領域の特定を進めている。
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Research Products
(19 results)