2008 Fiscal Year Annual Research Report
脊椎動物における心臓中隔形成メカニズムの進化的解明
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20570200
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小柴 和子 Tokyo Institute of Technology, グローバルエッジ研究院, 特別研究員 (30467005)
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Keywords | 発生 / 心臓 / 形態形成 / 進化 / 爬虫類 |
Research Abstract |
脊椎動物の心臓は魚類(一心房一心室)から鳥類・哺乳類(二心房二心室)にわたって、その生活環境の変化に伴いより高次な形態をとるようになる。特に爬虫類は不完全な心室中隔を持つカメ類から二心室をもつワニ類まで多様性があり、心室中隔が進化的にどのように派生してきたか知る上で非常に重要な位置にある。平成20年度は心室中隔に発現する遺伝子の中で、特にTbx5/20遺伝子に着目し研究を進めた。鳥類・哺乳類においてTbx5は左心室にTbx20は右心室にそれぞれ特異的に発現する。そこでアカミミガメ、グリーンアノールからTbx5/20を単離し、切片およびwhole mount in situ hybridizationで遺伝子の局在を調べた。さらにアカミミガメ、グリーンアノールの心室を右側と左側に切り分け、定量RT-PCRを行い、発現量を確認した。その結果、Tbx5の発現様式と心室中隔形態には関連性のある事を見いだした。心室中隔の形成されないグリーンアノールではTbx5は心室に一様に発現し、不完全な中隔を形成するアカミミガメでは発生初期では心室全体にTbx5の発現が認められたものの、発生後期になると鳥類・哺乳類同様左心室に偏った発現様式を示した。また心房中隔形成メカニズムを調べるために、変態前後の両生類、魚類の心臓形態を、連続切片を作製し詳細に観察した。その際、心臓内部形態を詳しく見る事ができるよう、既知の心筋マーカーのうち両生類、魚類にも反応できるものを検討し、いくつか使用可能なものを見いだした。
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