2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20570201
|
Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
服田 昌之 Ochanomizu University, 大学院・人間文化創成科学研究科, 准教授 (00249947)
|
Keywords | 発生・分化 / 変態 / 海洋バクテリア / エコデボ / 環境応答 |
Research Abstract |
多様な種類のバクテリア群集を混合状態のままフィルターに染み込ませて寒天培地の上に置いて培養する新規手法により、ミドリイシサンゴ幼生の着生を誘引するバクテリア群集を得ていた。この混合培養フィルターの中にどのような種類のバクテリアが優占しているかを調べるため、2種類のアプローチを採用した。ひとつめは、混合培養フィルターから単離培養を行って、得られた株の種類をリボソーム遺伝子塩基配列によって調べることである。ふたつめは、混合培養フィルターからDNAを抽出し、バクテリア群集のリボソーム遺伝子をPCRによって増幅し、得られたDNA断片をクローン化して塩基配列を決定して種類を調べることである。いずれも優占する種類が把握できるはずである。2系列についてそれぞれ20クローンの塩基配列を決定したところ、ふたつの手法では得られる種類が異なり、単離培養によって得ることが難しい種類が、混合培養で維持されることが示唆された。また、変態誘導株として単離された種類と同じものは得られず、活性株は群集中で少数を占めることが推測された。また、培養後のフィルターを昨年度のうちに凍結保存し、今年度になってから植え継ぎを再開し、変態誘導活性を検定した。その結果、バクテリア群集の凍結は安定的に活性を再現した。フィルターを用いた混合培養によって、バクテリア群集を混合状態のままに培養・植え継ぎそして凍結保存ができることがわかり、環境中のバクテリアの研究全般に有効な新手法として確立することができた。
|