2008 Fiscal Year Annual Research Report
細菌から出芽酵母へのドメイン間水平遺伝子伝達に働く正と負の因子
Project/Area Number |
20570221
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
鈴木 克周 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 教授 (50221320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守口 和基 広島大学, 大学院・理学研究科, 講師 (30294523)
田中 克幸 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教 (10363045)
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Keywords | 生物界間接合 / T-DNA輸送 / 細菌 / アグロバクテリア / 酵母 / 真核生物 / 接合遺伝子 / vir遺伝子 |
Research Abstract |
(1)正の因子の普遍性(接合遺伝子機構での低下株のT-DNA輸送機構に示す表規型分析) 大腸菌との生物界間接合効率が低い酵母変異体が、アグロバクテリアのT-DNA輸送機構によっても効率低下が見られるか検討した。アグロバクテリアのT-DNA輸送を出芽酵母変異体シリーズ(BY4742株を野生型親株として構築されている)で検出するために、YACベクターを既存のバイナリーベクターのRBとLBの間に挿入して酵母用バイナリープラスミドを作成した。現在までに見出している大腸菌との生物界間接合効率が低い酵母変異体のうち、これまでに試みた各種の条件下でいずれも低い接合効率を示した欠失型変異体を用いて酵母の形質転換効率を測定した。その結果、vma変異体は野生型と同等か数倍高い効率を示した。sph1△とcsg2△も同様であったが、zuol△、ccr1△、not5△とgon7は顕著に低い値を示した。従って、後者の4遺伝子は2つの輸送系で共通に重要で普遍性が高いと考えられる。今後は共通と共通でない遺伝子を基に分子機構を考察する必要がある。 (2)負の因子の探索(効率が上昇する変異体をスクリーニング) 生物界間接合効率低下変異株とは逆に、効率が上昇する変異体をスクリーニングした。5000株の酵母欠失変異体をひとつづつ吟味したところ、野生型株と比較して22株の変異体が15倍以上の高い効率を示した。これらの変異体にはミトコンドリア機能に必要な遺伝子の破壊株が複数含まれているという傾向が見られた。今後はそれぞれの変異が生物間接合効率上昇に直接に関与するかを検証する必要がある。
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Research Products
(5 results)