2009 Fiscal Year Annual Research Report
細菌から出芽酵母へのドメイン間水平遺伝子伝達に働く正と負の因子
Project/Area Number |
20570221
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
鈴木 克周 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 教授 (50221320)
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Keywords | 生物界間接合 / T-DNA輸送 / 細菌 / アグロバクテリア / 酵母 / 真核生物 / 接合遺伝子 / vir遺伝子 |
Research Abstract |
(1) 正の因子の普遍性(T-DNA輸送機構に対して効率低下をもたらす変異体のスクリーニング) 前年度に、大腸菌との生物界間接合効率が低い酵母変異体が、アグロバクテリアのT-DNA輸送機構によっても効率低下が見られるか検討し、調べた変異体の大部分はアグロバクテリアのT-DNA輸送機構では顕著な効率低下が見られなかった。出芽酵母変異体シリーズ(BY4742株を野生型親株として構築されている)でT-DNA輸送を検出するために作成した新規酵母用バイナリープラスミドをアグロバクテリアに入れたものをドナーとして多数の酵母株へのT-DNA輸送を評価するための条件を検討した。第一次スクリーニングで多数の変異体を扱うために固体培地で前培養し固体倍地上でドナーと共存培養し固体培地でT-DNAを受取った細胞を検出することにした。ドナーと酵母の各細胞数、ならびに共存培養時間を検討して、最終的に10^<-4>前後の効率で検出できるようになった。このシステムを用いてスクリーニングをすすめる。 (2) 負の因子の探索(効率が上昇する変異体をスクリーニング) 生物界間接合効率低下変異株とは逆に効率が上昇する変異体を前年度にスクリーニングし、野生型株と比較して22株の変異体が15倍以上の高い効率を示した。これらの変異体にはミトコンドリア機能に必要な遺伝子の破壊株が複数含まれているという傾向が見られた。ミトコンドリア機能の異常を示したものでは、変異体の中には破壊されている核遺伝子とは無関係に細胞質のミトコンドリアDNAの欠損あるいは異常で呼吸能を欠いて該上昇形質を示すものと、核遺伝子の欠失変異で呼吸能を欠いて該上昇形質を示すものが見られた。また、この他にSSD1遺伝子の欠失変異で該上昇形質を示した。
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Research Products
(8 results)