2010 Fiscal Year Annual Research Report
ゼノパス・トロピカリスにおける遺伝子トラップ法を用いた発生制御遺伝子の探索
Project/Area Number |
20579002
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
荻野 肇 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 特任准教授 (10273856)
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Keywords | 分子生物学 / 発生・分化 / ゲノム / 遺伝学 / 遺伝子 / 進化 / ツメガエル |
Research Abstract |
1、遺伝子トラップ系統の作製と表現型の解析 ヒートショックプロモーターをGFP遺伝子に連結したベクター(hsp-GFP)を用いて遺伝子トラップ個体を作製する中で、アルビノの表現型をもつファウンダーを同定した。トラップベクターの挿入を受けた遺伝子の候補としては、色素細胞の形成に関わるものや、色素細胞刺激ホルモンの分泌に関わるもの等が期待されたが、残念ながらこのファウンダーからは子孫が得られず、ミュータント系統として確立して解析を進めることはできなかった。しかしながら、本研究で用いた方法により、ミュータントが得られることは明らかになったので、引き続きhsp-GFP及び、新たに開発したインシュレータ付きベクターを用いて遺伝子トラップ系統の作製を進めた。 2、インシュレータ付きトラップベクターの開発とそのエンハンサー解析への応用 昨年度β-グロビン遺伝子のインシュレータ配列をGFP遺伝子の下流に付加したトラップベクターを作製したが、このベクターについてその効果を検討したところ、インシュレータ配列についての新たな機能を発見した。インシュレータ配列は、エンハンサーとプロモーターの間に位置すると、エンハンサーからプロモーターへの作用を阻害することが知られている。しかし本研究から、インシュレータ配列は近傍に位置するプロモーターをその種類によってはエンハンサー非依存的に活性化することが明らかになった。このことから、インシュレータ付きベクターを遺伝子トラップ実験に用いた場合には、挿入先の遺伝子の機能阻害のみならず、場合によっては異所的発現についても検討する必要のあることが示唆された。またこれらの成果に基づいて、ツメガエルのトランスジェニックシステムを用いてエンハンサー等のシス調節配列を効率良く解析するためのベクターを新たに開発することができた。
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Research Products
(16 results)