2009 Fiscal Year Annual Research Report
XLFを介したDNA損傷認識を制御する新しい細胞内情報伝達系の解析
Project/Area Number |
20579003
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
矢野 憲一 Kumamoto University, バイオエレクトリクス研究センター, 教授 (70311230)
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Keywords | DNA損傷 / DNA修復 / 非相同末端連結 / DNA二重鎖切断 / Ku / XLF / XRCC4 |
Research Abstract |
非相同末端連結(Non-homologous end-joining, NHEJ)は哺乳類におけるDNA二重鎖切断(DNA double-strand break, DSB)の主要な修復機構である。これまで私たちはNHEJ基本因子であるDNA-PKcs, XRCC4, XLFの損傷応答反応をライブセルイメージングによって解析してきた。その結果、NHEJ基本因子のDSB上への集積はKu依存的な反応であり、DNA-PKcs, XRCC4, XLFが互いに独立に挙動する過程の後に、各因子がDSB上で協調的に作用する過程が続くことを明らかにし、この観察に基づいた新モデルを提唱するに至った。さらに生化学的な手法により、KuとXLFの相互作用がDSB上でのみ生じるというユニークな特徴を明らかにし、Ku-XLF相互作用がNHEJ経路におけるDSB認識に重要な役割を担っている可能性を示した。本研究ではKu-XLF相互作用の詳細な解析を実施した。まずKuのXLF相互作用ドメインをライブセルイメージング法と精製タンパク質を用いたゲルシフト法により明らかにした。次に、YFPタグをつけたXLF欠失体のDSB応答反応をライブセルイメージング法により解析することで、XLFのDSBへの集積に必要な領域を同定した。この領域を欠失したXLFを培養細胞中で発現させ、免疫沈降法で回収し共沈タンパク質を解析したところ、Kuの共沈が見られなかったのみならず、この欠失領域とは異なる部位と相互作用するXRCC4も、XLFとの共沈が著しく減弱していた。以上の観察はKu-XLF相互作用がDSB上でのNHEJ基本因子間の協調的相互作用に重要な役割を担っていることを示し、私たちが提案しているNHEJ経路におけるDSB認識機構の新モデルをさらにサポートするものであった。
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Research Products
(9 results)