2009 Fiscal Year Annual Research Report
ホウレンソウにおける間性形質の遺伝的決定機構の解明
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20580001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小野寺 康之 Hokkaido University, 大学院・農学研究院, 助教 (80374619)
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Keywords | 植物育種 / 性決定機構 / ホウレンソウ |
Research Abstract |
ホウレンソウは雌雄異株の植物として知られているが間性(両性)株も見出される.これまでに雌雄決定を制御するX/Y遺伝子と間性遺伝子が共にSSRマーカー(SO4)と連鎖関係にあることを明らかにしたので,両遺伝子の対立性について検証した.まず,間性固定系統03-336と雌雄異株系統03-009の雄株との交雑後代における雄個体の花粉を系統03-009の雌株に授粉させて検定交雑集団[03-009♀×(03-336×03-009♂)♂]を育成した. 間性遣伝子(X^m)がX/Yと対立にある場合,系統03-336の遺伝子型はX^mX^m,系統03-009雄株および雌株の遺伝子型はそれぞれXYおよXXとなる.さらに,これまでの観察結果からYはX^mに対して優性を示し,なおかつX^mはXに対して不完全優性を示すことが前提となる.従って,期待される検定交雑集団の性型の分離は雄:間性=1X^mY:1X^mXである. 一方,間性遺伝子(M)とX/Yが対立では無い場合には,系統03-336の遺伝子型はXXMMであり,系統03-009における雄および雌株の遺伝子型はそれぞれXYmmおよびXXmmであることが想定される.さらに,YはMに対して上位性を示し,なおかつMはXに対して上位性を示すことが前提となる.従って,両者の組み換え価をr(0<~〓0.5)とした場合,検定交雑集団は雄:間性:雌=1/2XY_:(1-r)/2XXMm:r/2XXmmに分離することが期待される.すなわち,前述の仮説に基づく期待比とは異なり,当該集団からは雄と間性に加えて雌株が分離することが予測される. 実際に,当該検定交雑集団における性の分離を調査した結果,間性遺伝子(M)はX/Yの対立遺伝子ではない可能性が示唆された.今後は,本実験結果の再検証と間性遺伝子近傍領域の分子連鎖地図の作成を試みる.
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Research Products
(6 results)