2008 Fiscal Year Annual Research Report
国内品種カリユタカを用いた簡便かつ迅速なダイズ形質転換系の確立とその利用
Project/Area Number |
20580003
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山田 哲也 Hokkaido University, 大学院・農学研究院, 助教 (70374618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜多村 啓介 北海道大学, 大学院・農学研究院, 教授 (50111240)
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Keywords | ダイズ / アグロバクテリウム / 形質転換 |
Research Abstract |
アグロバクテリウムを介したダイズ形質転換系の確立を日的に培養条件等の検討を行った。特に, 従来の形質転換効率(1%)を向上させるため, いくつかの主要な要素と考えられる点の改良を試みた。まず, 外植片を得るための前処理(水浸漬)において種子そのものの崩壊が認められたため, 予め種子における水分含量の調整を行った。このことによって, 種子の崩壊はほとんどなくなり大幅に改善することができた。また, アグロバクテリウムの感染効率を向上させるため, 外植片への傷処理を試みた。過去にメスによる外植片への傷処理が報告されているが, 極めて煩雑な操作のためより簡便な方法を模索した。その結果, ステンレス製マイクロブラシを用いて外食片に傷をつけることが最も有効であった。これにより, アグロバクテリウムの感染効率は飛躍的に向上した。加えて, 形質転換シュートを選抜する際の発根培地に加える選抜剤の濃度を下げることによって, 従来よりも形質転換体を短期間に得ることが可能となった。選抜剤として使用するグルフォシネートの従来の濃度(10mg/1)では形質転換体であるにも関わらず, 選抜圧が高すぎるため発根までに要する期間が長くなっていた。そこで, 濃度を6mg/1にまで下げ選抜を試みた。その結果, 本濃度であっても形質転換シュートの選抜は容易に行うことができた。また, 発根までかかる期間は2-3週間程度であった。これらの変更点を全て通して, 形質転換実験を行ったところ, 感染から形質転換当代の種子を収穫するまでにかかる期間は最短4. 5ヶ月であった。また, 形質転換効率は従来と比べ3-5倍程度向上させることに成功した。
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Research Products
(1 results)