2009 Fiscal Year Annual Research Report
国内品種カリユタカを用いた簡便かつ迅速なダイズ形質転換系の確立とその利用
Project/Area Number |
20580003
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山田 哲也 Hokkaido University, 大学院・農学研究院, 助教 (70374618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜多村 啓介 北海道大学, 大学院・農学研究院, 教授 (50111240)
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Keywords | ダイズ / 形質転換 / アグロバクテリウム / フラボノイド / 転写因子 |
Research Abstract |
アグロバクテリウムを介したダイズの形質転換効率は1%程度と低く,遺伝子の機能解析を行うための手法として用いるためには十分な効率でない。そこで,本研究では高頻度に形質転換体を得ることを目的として従来法の改良を試みた。外植片を誘導する際,完熟種子の水分含量を調整することで,種子が崩壊することなく効率よく外植片を確保することを可能にした。これらの外植片にステンレス製マイクロブラシを用いて傷処理を行うことで,アグロバクテリウムの感染効率を上昇させることができた。さらに,選抜条件を変更することによって従来のものよりも短期間に形質転換体を得ることが可能になった。これらの変更条件を全て満たす方法で形質転換実験を行ったところ,形質転換効率を4.4%にまで上昇させることに成功した。また,ダイズの形質転換は不定芽誘導を通して行うことが多く,一般的にキメラ様植物体が高頻度に出現することが知られている。本研究では,培養後期における不定芽形成が遺伝的に安定した形質転換体の作出に重要であることも同時に明らかにした。加えて,本研究で確立した方法を用いて,ミヤコグサに由来する転写因子遺伝子の一つであるLjMyb12を過剰発現する形質転換ダイズを作出した。ベクターはカリフラワーモザイクウイルスの35Sプロモーターの下流にLjMyb12遺伝子を繋いだものを用いた。加えて,作出した形質転換ダイズの自殖を繰し返すことで,導入遺伝子の固定化を図った。この形質転換固定系統を用いて,遺伝子の発現解析を行った。幼植物体の葉組織において遺伝子の発現解析を行ったところ,フラボノイドの生合成に関連する酵素遺伝子の発現上昇を認めた。また,登熟段階にある種子においても同様にフラボノイド生合成に関連する遺伝子の発現が上昇することを認めた。
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Research Products
(3 results)