2010 Fiscal Year Annual Research Report
国内品種カリユタカを用いた簡便かつ迅速なダイズ形質転換系の確立とその利用
Project/Area Number |
20580003
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山田 哲也 北海道大学, 大学院・農学研究院, 助教 (70374618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜多村 啓介 北海道大学, 大学院・農学研究院, 教授 (50111240)
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Keywords | ダイズ / 形質転換 / アグロバクテリウム / フラボノイド / 転写因子 |
Research Abstract |
本研究において確立したアグロバクテリウムを介したダイズの形質転換方法を利用し,ミヤコグサに由来する転写因子遺伝子の一つであるLjMyb12遺伝子の種子組織特異的な発現制御を試みた。そのため,ダイズ貯蔵タンパク質遺伝子のプロモーターを利用して,LjMyb12遺伝子の発現制御を行うベクターを構築し,形質転換実験に用いた。その結果,独立した5つの外植片に由来する5個体の形質転換体を得た。これら個体の自殖を繰り返すことにより,最終的に解析対象となる4系統を育成した。これら形質転換系統のサザンブロット解析及び定量RT-PCR解析から,各系統において導入遺伝子が複数コピー挿入されているものの,ジーンサイレンシングなどの影響を受けることなく,種子組織特異的にLjMyb12遺伝子が過剰発現していることを明らかにした。さらに,LjMyb12と他の遺伝子の発現制御との関係を精査するため,形質転換系統の未熟種子におけるマイクロアレイ解析を行った。その結果,LjMyb12遺伝子を過剰発現制御した場合,様々な遺伝子の発現が変動することが明らかとなった。特に,芳香族アミノ酸の一つであるフェニルアラニンから合成されるフラボノイド生合成経路が活性化されていることが明らかとなった。中でも,フラバノンやフラボノールの生合成に関わる酵素遺伝子群の発現が高くなる傾向が認められた。加えて,フェニルアラニンの代謝系経路に関わる酵素遺伝子群の発現も高くなる傾向が認められた。また,ダイズゲノム中には,上述した遺伝子にそれぞれ複数のパラログが存在することが知られている。本研究で作出した形質転換体の解析を通して,LjMyb12はこれらのパラログの内,特定のものについて発現制御することを明らかにした。
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Research Products
(3 results)