2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20580005
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
石井 尊生 Kobe University, 農学研究科, 教授 (20260648)
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Keywords | イネ / 栽培化 / 穂の開帳性 / 種子脱粒性 / Oryza sativa / Oryza rufipogon / 連鎖地図 |
Research Abstract |
本研究では、栽培イネOryza sativaの栽培化を促す鍵となった遺伝子の同定を目的としている。初期のイネの栽培化においては、栽培品種にみられる様々な形質が選抜・改良されてきたと考えられる。そこで本年度は、以下の3つの研究を行った。 1、野生イネO.rufipogon由来の種子脱粒性を支配する遺伝子間の相互作用について まず、栽培イネO.sativaとその祖先野生種であるO.rufipogonを交雑し、さらに正逆の戻し交雑を行った。そして、栽培種の遺伝的背景に野生種由来の種子脱粒性を支配する遺伝子を持つ系統、ならびに野生種の遺伝的背景に栽培種由来の種子非脱粒性の遺伝子を持つ系統を選抜・自殖することによって分離集団を作出した。これらを材料に、種子脱粒性を支配する対立遺伝子間の相互作用について調査を行った。 2、栽培化関連形質の量的形質遺伝子座解析 栽培イネの祖先野生種であるO.rufipogonを供与親としてBC2戻し交雑集団を作成した。その後、それらを自殖し戻し交雑自殖系統を育成した。これらを圃場ならびに温室に展開し、種子脱粒性や穂の開帳性をはじめとする栽培化関連形質についての調査を行った。また、これら系統よりDNAを抽出し、180個の分子マーカー座におけるマーカー型を決定し、形質データを統合することにより、量的形質遺伝子座解析を行った。 3、野生イネO.rufipogonの他殖率調査 昨年度までに作成されていた野生種の遺伝的背景において栽培種由来の染色体断片を一部ホモに持つ系統を野生種系統で取り囲むように圃場に展開し、本年度についても再度、野生イネO.rufipogonの自然環境下における他殖率を推定した。
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