2008 Fiscal Year Annual Research Report
他殖性アカクローバー染色体地図のインティグレーション
Project/Area Number |
20580006
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
近江戸 伸子 Kobe University, 人間発達環境学研究科, 准教授 (30343263)
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Keywords | アカクローバ / 染色体地図 / 遺伝子地図 / FISH / マメ科植物 / ゲノム解析 |
Research Abstract |
マメ科他殖性の飼料作物アカクローバ(Trifolium pratense L.)は、他殖性の二倍体(2n=2x=14)で、ゲノムサイズは440Mbである。本研究では、育成されたHR系統およびR130系統を用い、定量的染色体地図作製のためのfluorescence in situ hybridization (FISH)マッピングならびに画像解析を行った。体細胞分裂前中期染色体を調整し、26Sおよび5Sribosomal RNA gene (rDNA)と遺伝的連鎖地図上のマイクロサテライトマーカーを含む28種類のBacterial Artificial Chromosome (BAC)クローンを用いたFISHマッピングを行った。次に得られた画像について、画像解析プログラムCHIAS3の解析ステップをインタラクティブな要素を取り入れた半自動化を行い改良したCHIAS4を用いて、7対のアカクローバ染色体を解析した。 今年度、得られた主要な結果としては、遺伝的連鎖地図の各連鎖群(Linkage group; LG)の両末端側に相当するBACクローンを対応する染色体に位置付けた。LG1、LG2、LG3、LG4、LG5、LG6、LG7は、それぞれ、第4、2、6、5、1、7、3番染色体に根当した。さらに、CHIAS4により、染色体の凝縮型(Condensation pattern;CP)を計測し、染色体長、相体長、腕比、FISH蛍光シグナルの位置を計測し、平均化を行って、定量的染色体地図を作成した。また、反復配列の存在様式を理解するために、アカクローバにアラビドプシス型テロメア配列が染色体末端に存在し、種特異的な動原体局在性の反復配列が存在することを証明した。 これらの成果によって、他殖性マメ科植物アカクローバで初の定最的染色体地図を完成させ、その染色体地図を遺伝的連鎖地図に完全にインティグレーションできた。本研究の定量的染色体地図は、マメ科他殖性植物で世界初であり、日本発の最も詳細なゲノム解析を行ったアカクローバを他殖性植物のゲノム解析モデルとして確立したものである。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Genome Structure of the Legume、Lotus japonicus.2008
Author(s)
Sato S, Nakamura Y, KanekoT, Asamizu E, Kato T, Nakao M, Sasamoto S, Watanabe A, Ono A, Kawashima K, Fujishiro T, Katoh M, Kohara M, Kishida Y, Minami C, Nakayama S, Nakazaki N, Shimizu Y, Shinpo S, Takahashi C, Wada T, Yamada M, Ohmido N, HayasM M, Fukui K, Baba T, Nakamichi T, Mori H, Tabata S.
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Journal Title
DNA Research 15
Pages: 227-239
Peer Reviewed
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