2009 Fiscal Year Annual Research Report
他殖性アカクローバ染色体地図のインティグレーション
Project/Area Number |
20580006
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
近江戸 伸子 Kobe University, 人間発達環境学研究科, 准教授 (30343263)
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Keywords | アカクローバ / 染色体地図 / 遺伝子地図 / FISH / マメ科植物 / ゲノム解析 |
Research Abstract |
初年度に染色体地図構築に用いたHR系統と異なる遺伝子型をもつアカクローバ両親系統5系統について、染色体レベルでの転座、欠失の有無を検証した。HR系続からクローニングした26SrDNAを用いてFISH法を行ったところ,HRにおいては、第1、6、7染色体に26SrDNA遺伝子座が検出され、第6染色体については、相同染色体の片方のみに存在するヘテロ性を有し、挿入または欠失であることが推定される。HRの第6染色体における26SrDNAのヘテロ性が、周辺の遺伝子の組換え価を抑制し、周辺遺伝子の連鎖を招くなどの連鎖地図の歪みは、遺伝的連鎖地図には表れていないため、表現型に影響を及ぼさないといえる。一方、R130、NS10、H17L、Violetta系統では第1、7染色体、M366系統では第1染色体に26SrDNAの遺伝子座が存在するが、全て相同染色体にホモ型に遺伝子座が検出され、ヘテロ性は見られなかった。また、5SrDNA遺伝子座について系統間の多型性は見られなかった。BACクローンRCS6954は、6系統において同じように、ペリセントロメアに特異的なシグナルを検出したことから、アカクローバの種に共通して存在するペリセントロメア特異的反復配列を有することが示唆される。個々の染色体ごとにシグナル強度は異なっており、各系統に共通して第2染色体のシグナルは最も強く、第6染色体のシダナルは弱かった。これはペリセントロメア領域における反復配列のコピー数の違いによるものと考えられる。また、他のBACクローンを用いた場合は、座上する染色体に6系統間で違いは見られなかった。これらの結果から、アカクローバの染色体は他殖性であるにもかかわらず保存性が高く、大規模な染色体の転座、重複などの染色体の再編成は起きていないと考えられる。
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Research Products
(3 results)