2008 Fiscal Year Annual Research Report
ゴマの食品機能性リグナン関連物質の生産改良-遺伝資源と栽培環境からのアプローチ-
Project/Area Number |
20580009
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
田代 亨 Chiba University, 園芸学研究科, 教授 (00109315)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西野 栄正 千葉大学, 園芸学研究科, 教授 (30110274)
長島 万弓 名古屋経済大学, 人間生活科学部, 准教授 (80261105)
|
Keywords | ゴマ / 食品機能性 / リグナン関連物質 / 遺伝資源 / 栽培環境 / セサミン / セサモリン / 油脂 |
Research Abstract |
ゴマの食品機能性に関与するリグナン関連物質(以下,食品機能性リグナン関連物質)の変動要因を栽培環境面と遺伝資源面から精査し,その結果以下の研究成果を得た. 1.栽培環境と食品機能性リグナン関連物質の含量変動、窒素施肥量を5水準区設けて南部黒ゴマ種を栽培・収穫し,収量及び食品機能性リグナン関連物質などの化学成分含量への影響を検討した.10a当たり収量は,無施用区78.8Kg,標準区82.5Kg,2倍区82.3Kg,4倍区82.5Kg,6倍区91.7Kgであり,施用量間に有意差は見られなかったものの,収量は窒素肥料を多用するほど増加する傾向が見られた.窒素施肥量5水準区から得た種子1gには,食品機能性リグナン関連物質であるセサミン含量は0.80〜0.95mgの範囲に,セサモリン含量は1.05〜1.20mgの範囲に含まれていた.また,油脂は約44.0〜45.0%の範囲で含まれていた.セサミン・セサモリン及び油脂の含量は窒素施用量間で有意差は見られないものの,いずれの成分も施用量が増大するほど減少する傾向を示した. 2.ゴマ属遺伝資源の食品機能性リグナン関連物質の含量変動、ゴマ遺伝資源12系統を世界各地から収集し食品機能性リグナン関連物質であるセサミン及びセサモリンを定量した.セサミン含量は0.93〜7.57mg/gの範囲にあり,平均値は3.41mg/gであった.セサモリン含量は0.31〜1.78mg/gの範囲にあり,セサモリン高含量系統はタイ国在来の白ゴマ種であった.両系統とも4心皮で3さく果性の3QA型であり,粒重はそれぞれ0.104g/100粒と0.108g/100粒の極細粒でであった.今回見出されたセサミン高含量系統は極細粒で劣悪農業形質を持つが,交配母本として有望である.
|
Research Products
(1 results)