Research Abstract |
ゴマの食品機能性に関与するリグナン関連物質(以下,食品機能性リグナン関連物質)の変動要因を栽培環境面から検討し,また食品機能性に関連する無機質成分,特にセレンについて産地栽培環境面から検討した.その結果以下の研究成果を得た. 1.栽培環境と食品機能性リグナン関連物質の含量変異 化成肥料施肥量を5水準区(0,15,30,60,120g/m^2)設けて有限伸育型で無分枝単一茎型の白ゴマ種を栽培・収穫し,収量及び化学成分含量への影響を検討した.収量は30g/m^2区を除いて,施肥により有意に高めたが施肥量間で差異は認められなかった.油脂含量は,油脂は49.9~52.4%の範囲で含まれ,60g/m^2以上の施用により有意に低下した.脂肪酸組成は,パルミチン酸,スレアリン酸,オレイン酸は施肥により影響されたが,リノール酸,リノレイン酸,アラキジン酸,エイコセン酸,ベヘニン酸は影響されなかった.食品機能性リグナン関連物質であるセサミン含量は4.31~5.14mg/gの範囲で含まれ,施用により減少傾向を示し,特に120g/m^2施用により有意に減少した.セサモリシ含量は3.74~3.92mg/gの範囲に含まれ,施用により影響されなかった. 2.ゴマ産地と機能性無機質成分の含量変異 世界各地から21試料を収集し,食品機能性無機質成分13元素を定量した.セレン含量は0.1~4.8μg/gの範囲にあり,平均値は0.6μg/gであり,高含量試料はベネズエラ産(品種FONUCLA)の茶ゴマ種であった.鉄含量は44~120μg/gの範囲にあり,平均値は66μg/gであり,鉄高含量系統はスリランカ産のミックス種であった.カルシュウム含量は7.2~15.0mg/gの範囲にあり,平均値は11.4mg/gであり,高含量試料は中国湖北省産試料の黒ゴマ種とベネズエラ産(品種FONUCLA)であった.
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