2010 Fiscal Year Annual Research Report
ゴマの食品機能性リグナン関連物質の生産改良-遺伝資源と栽培環境からのアプローチー
Project/Area Number |
20580009
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
田代 亨 千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 教授 (00109315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西野 栄正 千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 教授 (30110274)
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Keywords | ゴマ / 食品機能性 / リグナン関連物質 / 遺伝資源 / 栽培環境 / セサミン / セサモリン / 油脂 |
Research Abstract |
ゴマの食品機能性に関与するリグナン関連物質(以下,食品機能性リグナン関連物質)の変動要因を遺伝資源面と栽培環境面とから検討し,以下の研究成果を得た. 1.食品機能性リグナン関連物質の高含有系統の選抜 多収性系統の中国産35(中国在来種)を母本として,セサミン高含有系統のラオス産淡紫(ラオス在来種)交配した(以下,CRW).また,多収性系統の伊佐郡産(鹿児島県在来種)を母本として,セサミン高含有系統のラオス産黒(ラオス在来種)を交配した(以下,IRB).交雑後代F_3集団から高食品機能性リグナン関連物質高含有個体の選抜を行った.CRW群では,高リグナン含量9.17mg/gと高収量性を兼ね備えた有用個体が見出された.IRB群では,セサミン9.05mg/g・セサモリン含量4.65mg/gともに高い有用個体が見出された. 2.食品機能性リグナン関連物質含量の施肥条件による変異 (1)有機肥料(食品排水汚泥堆肥,厩肥)を17年間連用した圃場土壌を用いて黒ゴマ種と白ゴマ種を有機栽培し,食品機能性リグナン関連物質含有量への影響を慣行栽培と比較した.収量は両種ともに有意に厩肥で高まった.食品機能性リグナン関連物質うち,セサミン含量は白ゴマ種では慣行栽培に比べて有機栽培で高かったが,黒ゴマ種では両栽培間で差異は見られなかった.セサモリン含量は両種ともに有意に厩肥で高まった. (2)リン酸肥料施肥量を5水準区(0,7.5,15,30,60g/m^2)設けて黒ゴマ種と白ゴマ種を栽培し,収量及び化学成分含量への影響を検討した.収量は施用量に伴って増加する傾向が見られた.油脂含量,脂肪酸組成,窒素含量は施用量と一定の傾向が認められなかった.食品機能性リグナン関連物質うち,セサミン含量は施用で低下する傾向が見られたが,セサモリン・セサミノール配糖体含量は一定の傾向は認められなかった.
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Research Products
(4 results)