2009 Fiscal Year Annual Research Report
水稲の穂培養法を用いた籾中の窒素代謝と炭水化物代謝との関連性の解明
Project/Area Number |
20580015
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
山口 武視 Tottori University, 農学部, 教授 (30182447)
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Keywords | 水稲 / 登熟 / 日射 / 穂培養 |
Research Abstract |
水稲の穂を切断し、液体培地に挿してソース能力を任意に定めることができる培養方法(以下穂培養法と記載)を用いて、穂部の窒素代謝と炭水化物代謝との関連性の解明を試みているが、その実験過程で、太陽光が穂に当たると粒重増加が増大することがわかった。 【材料と方法】圃場で生育させた水稲6品種をそれぞれを穂培養し、培地の炭素源(スクロース2%,同4%,フルクトース2%,同4%)およびNH_4NO_3濃度(18,36,72mM)ならびに培養環境(室内、野外、遮光)を変えて粒重増加を調査した。 【結果】1. 液体培地の炭素源と窒素濃度が粒重増加に及ぼす影響:培地の炭素源としてスクロースとフルクトースを検討した結果、両者に明確な差は認められなかったが、両炭素源とも2%よりも4%の方が、籾千粒重の値が大であった。一方、登熟初期に玄米中のアンモニア態窒素濃度が高いと登熟不良となることを穂培養法で確かめた。明らかに培地の窒素濃度が高いものほど粒重増加が緩慢となり、穂培養法においても窒素代謝が炭水化物代謝に影響を及ぼすことが示唆された。なお、穂培養の粒重増加は培地の吸収量に支配されていた。 2. 培養環境が粒重増加に及ぼす影響:アキヒカリでは蒸散抑制処理の有無に関係なく、太陽光に当てた穂の粒重が明らかに室内の穂よりも増大した。培地吸収量は培養期間が長くなると減少していくが、穂自身の蒸散量は太陽光が当たった穂よりも遮光した穂の方が大であった。しかしながら、同じ培地吸収量でも太陽光が当たった穂の粒重増加が大であった。
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Research Products
(1 results)