2010 Fiscal Year Annual Research Report
ツツジ属植物における葉緑体ゲノム父性遺伝機構の細胞学的および遺伝学的解明
Project/Area Number |
20580020
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
嬉野 健次 琉球大学, 農学部, 准教授 (10333759)
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Keywords | 葉緑体DNA / 父性遺伝 / ツツジ |
Research Abstract |
昨年度の研究成果により,ツツジ属植物における葉緑体DNAの遺伝には,種子親の核ゲノム内に存在する遺伝子が深く関与することが示唆された.本年度は,種子親の葉緑体ゲノム内の遺伝子の関与の有無を明らかにするために,オオシマツツジ(Fタイプ)とオオヤマツツジ(Sタイプ)との交配で得られたF1実生のうち,オオヤマツツジ(S)の葉緑体を持つ実生を種子親にしてFタイプのタイワンツツジとの交配を行い,その後代の葉緑体DNAの遺伝性をPCR-SSCP法により調査した.その結果,後代の葉緑体DNAの遺伝性は,交配組み合わせにより高頻度で父性遺伝がみられる組み合わせ,中頻度でみられる組み合わせおよびほとんど見られない組み合わせが出現した.以上の結果より,ツツジ属植物における葉緑体DNAの遺伝に関する種子親の葉緑体ゲノム内の遺伝子の関与は否定され,種子親の核ゲノム内の遺伝子が関与することが示唆された.そこで,種子親の核ゲノム内に存在する遺伝子の単離を目的として,Bulk集団を用いたRAPD分析を行った.その結果,調査した100プライマー中2つのプライマーで集団間で特異的な断片が検出され,父性遺伝が中頻度から高頻度なF1に特異的に出現する断片3つと中頻度から低頻度なF1に特異的に出現する断片3つが単離された.また,複数の断片が検出されたことから,関与する遺伝子は複数存在する可能性が考えられた.現在,これらの断片をクローニング中である
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