2010 Fiscal Year Annual Research Report
レタスのチップバーン発生機構の解明と抵抗性品種の選抜
Project/Area Number |
20580026
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
宇野 雄一 神戸大学, 農学研究科, 准教授 (90304120)
|
Keywords | カルシウム / 欠乏症 / レタス / チッブバーン / 抵抗性 / 診断法 / Ca-Hアンチポーター |
Research Abstract |
チップバーンは、レタスや他の葉菜類に発生するCa^<2+>不足を原因とする生理障害である。本研究では、チップバーン抵抗性評価法を新たに確立し、レタスのチップバーン発生要因を詳細に調査することにより、機構解明と抵抗性品種の選抜を目指している。前年度までに、チップバーン抵抗性診断法の開発、および抵抗性品種の選抜を行った。また、カルシウム輸送に関係すると考えられるCa^<2+>-H^+アンチポーター(CAX)をコードするLsCAX3b遺伝子を調査した。本年度は、レタス内在のCAXオーソログとして、LsCAX2、LsCAX3aおよびLsCAX5を新たに単離し、リアルタイムPCRによる発現解析を行った。 LsCAX3aおよびLsCAX3bの発現は,0時間のコントロールに比較して,24時間のCa処理により有意に上昇した.ただしLsCAX3bは,24時間の水処理によっても発現が上昇していたため,微妙な浸透圧変化により遺伝子発現が変化している可能性があると考えられた。 LsCAX2およびLsCAX5遺伝子はCa処理による大きな発現の変化は認められなかった。サザン法を行った結果,LsCAXはそれぞれ1~7個のコピー数を持つと考えられ,ゲノム内にはまだ未知のホモログが存在していると予想された.今後は抵抗性が異なる品種を用いてCAX遺伝子の発現を比較し、カルシウム欠乏が引き起こすチップバーン障害との関連を調査する予定である。
|
Research Products
(2 results)