2010 Fiscal Year Annual Research Report
魚肉エキスを用いたバイオミネラライゼーションによる水耕トマトの栽培技術の確立
Project/Area Number |
20580027
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
太田 勝巳 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (30176888)
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Keywords | 園芸学 / 天然資源 / 循環型農業 / 水耕 / トマト |
Research Abstract |
供試作物は,トマト'ハウス桃太郎'であった.処理区は,対照(無機肥料)区,魚肉エキス500倍区および魚肉エキス500倍(外部バケツ)区の3処理とした.生育調査の結果,葉数および茎長については対照区が他の2処理区に比べてやや多かった.葉長および葉幅は,魚肉エキス区および魚肉エキス(外部タンク)区はほぼ同等で,対照区よりやや小さかった,これは2010年の4月の気温が低く,消化菌による有機態窒素の分解があまり進まず,初期生育がやや劣ったことに起因すると考えられる.最上位葉のKおよびCa濃度については,処理区間に差異はみられず,K/Ca比は対照区が2.9と最も低く,魚肉エキス区および魚肉エキス(外部バケツ)区も同程度の値を示した.Ca濃度およびK/Caについても,ほぼ良好で尻腐れ果の発生も少なかった.収穫果実における対照区における正常果率は93.5%でその割合は処理区間に差異はみられず,これまでの実験の中で最も正常果率が高くなった.収量は,対照区で2.56kg,魚肉エキス区および魚肉エキス(外部バケツ)区ではその90~94%の収量であった.果実糖度,滴定酸度およびアスコルビン酸含量には,処理区間に差異はみられなかった,根のTTC還元活性値は魚肉エキス(外部バケツ)区において他の処理区より高くなり,無機化した培養液の補充により,根の活性が高まったことが示された.収穫終了時の成長量について,茎および葉においては新鮮重および乾物重とも対照区が最も大きかったが,根においては処理区間に差異はみられなかった.
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