2008 Fiscal Year Annual Research Report
カンキツ類におけるアミトーシス細胞の視覚化とその細胞融合雑種の遺伝的解析
Project/Area Number |
20580034
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
國武 久登 University of Miyazaki, 農学部, 教授 (80289628)
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Keywords | カンキツ / 細胞融合 / アミトーシス / 育種 / 染色体 / ウンシュウミカン / 倍数体 / 懸濁培養細胞 |
Research Abstract |
カンキツ類における体細胞雑種の多くは複二倍体のため,劣悪な形質を示すことから実用的な品種が作出されていない.近年,紫外線照射や培養変異を利用した非対称融合法が開発され,部分的なゲノムの導入が可能となってきた.そこで,本研究では,培養変異の誘導およびその非対称融合への利用について検討した. 植物材料には,ウンシュウミカン‘大津4号'りの懸濁培養細胞を供試した.培養変異を誘導するために,細胞へのコルヒチン処理を行い,2週間ごとに増殖量を調査した.また,処理した細胞はフローサイトメトリーおよび細胞核の蛍光染色法により倍数性の評価を行った.次に,変異処理した細胞との雑種細胞由来のコロニーの発生過程をトレースするために,ニンボウキンカンのβ-glucronidase(GUS)形質転換体由来葉肉プロトプラストとの電気細胞融合を行った. 懸濁培養細胞は本実験の濃度範囲においては完全に増殖が抑制されることなく,処理8週間後まで緩やかに増殖した.変異処理8週目における懸濁培養細胞の倍数性評価を行ったところ,コルヒチン0.05%添加で四倍体が観察され,二倍体懸濁培養細胞内での培養変異の発生が確認された.次に,その細胞との電気細胞融合を行ったところ,培養3ヶ月後に多数のコロニーが観察された.GUS染色を行った結果,雑種細胞由来と考えられる濃い青色に染色されたコロニーがシャーレあたり数十個観察された.今後,コロニーから植物体が再生するまでの培養変異の挙動について調査していく予定である.
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