2008 Fiscal Year Annual Research Report
イネいもち病菌のAVRーPia遺伝子の解析と病原性判別システムの構築
Project/Area Number |
20580043
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
曾根 輝雄 Hokkaido University, 大学院・農学研究院, 准教授 (00333633)
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Keywords | いもち病菌 / Magnaporthe oryzae / PCR / イネ / 非病原性遺伝子 / エフェクター / 突然変異 / 病原性 |
Research Abstract |
(1)AVR-Pia遺伝子の単離 これまでにIna168株由来の1199bpのDNA領域(領域Vm)に, AVR-Piaが存在すると考えられていた. DNA領域Vmを5'末端から欠失させた702bpの領域(領域Vq)をPCRにより増幅し, 愛知旭に対して病原性をもつIna168m95-1株に形質転換した. 愛知旭に対する接種試験の結果, この領域Vqは非病原性を相補した. 本領域内には大小14のORFが存在しており, これらに対して1塩基挿入によるフレームシフトを6箇所導入した. そして, 形質転換体を作成し, 接種試験を行った結果, 最大長である255bpのORFがAVR-Piaであると証明した. (2)AVR-Piaの染色体地図上へのマッピング 安田伸子氏(中央農業総合研究センター)より, AVR-Piaの遺伝解析(Yasuda et.al., 2006)に用いた中国産菌株の交配後代を分譲していただき, 日本産菌株と中国産菌株のAVR-Piaが同一であるか, 本研究で得たAVR-Pia領域をプローブとしたRFLPと愛知旭への病原性の後代における分離の比較を行った. その結果, 両者が一致し, Ina168のAVR-Piaと中国産菌株のAVR-Piaは同一の遺伝子であることが示された. (3)AVR-Pia領域の構造の解明 AVR-Pia遺伝子を含むより広いDNA領域を取得するために, クローン46F3に隣接したコスミドクローン9E12を得た. 配列を決定したところ, 9E12は46F3の5'側に位置し, 両者を併せて53kbにわたる領域が明らかになった. 9E12中には, トランスポゾンOccan全長と, レトロトランスポゾンMINEが含まれていた. また, サザン解析の結果, Ina168株中には合計3コピーのAVR-Pia遺伝子があり, 変異株Ina168m95-1では全てのコピーが欠失していることがわかった.
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[Journal Article] Molecular cloning and characterization of the AVR-Pia locus from a Japanese field isolate of Magnaporthe orvzae2009
Author(s)
S. Miki, K. Matsui, H. Kito, K. Otsuka, T. Ashizawa, N. Yasuda, S. Fukiya, J. Sato, K. Hirayae, Y. Fujita, T. Nakajima, F. Tomita, and T. Sone
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Journal Title
Molecular Plant Pathology 10
Pages: 361-374
Peer Reviewed
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