2008 Fiscal Year Annual Research Report
植物病原菌の生育を抑制するマイコウイルスの機能解析及び生物防除資材としての開発
Project/Area Number |
20580045
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
森山 裕充 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 講師 (20392673)
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Keywords | マイコウイルス / 2本鎖RNAウイルス / 弱毒化 / イネいもち病菌 / アルタナリア・アルタナータ / 生物防除資材 / 微生物農薬 / 環境低負荷型農業 |
Research Abstract |
植物病原菌の防除は化学農薬への依存が高く、環境負荷低減型農業への変換が食の安全面からも期待されている。本研究は、重要作物であるイネに重大な被害をもたらすイネいもち病菌と、生活環境に広く存在し、かつ植物病原菌としても重要であるアルタナリア菌の生育を抑制しうるマイコウイルスに着目して、これらを新しい植物病原菌防除法のツールとして開発することを目的とする。イネいもち病菌マイコウイルスは4成分の2本鎖RNAゲノムを有するものが多いが、中には2種のウイルスが混合感染して8成分のウイルスゲノムが存在する菌株もある。これらマイコウイルスのうち、3.6kbp, 3.2kbp, 2.9kbp, 2.8kbpのサイズの2本鎖RNAは分節パターンからクリソウイルス科に分類されることが示唆され、MoCV (Magnaporthe oryzae Chrysovirus)と称した。一方、2.0kbp, 1.8kbp, 1.5kbpの2本鎖RNAゲノムに関してはシークエンス解析の結果、アマさび病菌内在性2本鎖RNAと相同性があることが判明し、MoEV (Magnaporthe oryzae Endogenous Virus)と称した。 アルタナリア・アルタナータ菌マイコウイルス(AaV-1)に関しては、ウイルス粒子を精製後、N末解析と内部アミノ酸配列解析を試みたところ、ウイルス粒子タンパク質はdsRNA3にコードされることが明らかとなった。AaV-1をマイコウイルスフリーのアルタナリア・アルタナータに導入させる感染実験を行う際には、ウイルス感染の有無を簡便に確認するELISAシステムが必要であり、そのために抗原としてウイルス粒子約1mgを調整して抗体作製を行った。ELISAによる検出システムは出来たが、精度の高い実験実施のために、アフィニティー精製による抗体の再精製を行っている。
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Research Products
(15 results)