2009 Fiscal Year Annual Research Report
トスポウイルスの発生に媒介虫個体群構造が与える影響力
Project/Area Number |
20580047
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
藤 晋一 Akita Prefectural University, 生物資源科学部, 准教授 (40315601)
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Keywords | Iris yellow spot virus / ネギアザミウマ / トスポウイルス / シュードリコンビナント / 個体群構造 / 媒介率 |
Research Abstract |
1 分布ウイルスとアザミウマの関係解明(発生実態調査)(ウイルス株、アザミウマの収集と個体群解析) 昨年度採集したネギアザミウマCOI遺伝子の解析に基づいてハプロタイプを解析した結果、IYSV発生にかかわらず、ハプロタイプ12,13,14が優占して分布していた。これらアザミウマ個体群と異なるIYSV系統との組み合わせにおける、媒介特性の違いについて調査した。その結果、いずれの個体群を用いた場合も、IYSV系統の違いによって、媒介率に有意な違いは認められず、その違いは分離株に依存していた。また、産雄性遺伝子型個体群のIYSV媒介率は、IYSV系統にかかわらず、産雌性遺伝子型個体群よりも高かった。 2 組み換えウイルスを用いたウイルスの媒介虫特性の解明(混合接種による組み換えウイルスの作出) 日本産BR型タイプ種・SgOniDl株、および日本産NL型タイプ種・CbAlsDl株感染粗汁液の比率を1:1~1:20の割合で混合、Nicotiana benthamiana接種し、生じた上位葉をChenopodium quinoaに接種、単病斑から全RNAを抽出し、SおよびM遺伝子型のタイピングをRT-PCR-RFLP法により行った。その結果、いずれの比率で混合感染させた場合も、単病斑分離当初は、S,M遺伝子それぞれ両遺伝子型由来のゲノムを混在して保有するモザイク型が得られた。しかしながら、モザイク型の病斑を用いて、単病斑を繰り返すとS,M遺伝子ともにいずれかの同一遺伝子型となり、リコンビナントは得られなかった。以上の結果から、異なる遺伝子間では組み換えが生じない可能性が示唆された。今後は、同一遺伝子型の異なる分離株間についての組み換えも併せて試験を行い、真に異なる遺伝子型間で組み換えを生じないことを証明する必要がある。
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