2009 Fiscal Year Annual Research Report
転写産物調節性タンパク質の遺伝子操作による昆虫の分子育種
Project/Area Number |
20580051
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
小谷 英治 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 准教授 (10273541)
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Keywords | チョウ目昆虫 / RNA結合蛋白質 / 転写産物制御 |
Research Abstract |
カイコで見つかった哺乳類TIA-1のホモローグであるBmTRN-1タンパク質は、RNA認識領域(RRM)を持つRNA結合タンパク質であり、その遺伝子発現抑制による解析から、転写産物の制御に関わることが考えられる。カイコの転写後調節機構を明らかにする目的で、ウイルス感染過程におけるBmTRN-1の転写後調節における役割や、細胞内局在の変化について調べた。カイコに強い感染性を示すバキュロウイルスであるBmNPVを感染させた細胞では、GFP融合BmTRN-1タンパク質は細胞質において明確な多数の凝集体を形成した。弱毒性バキュロウイルス感染細胞におけるBmTRN-1タンパク質の核内分布の現象とこの結果は大きく異なるものであるが、このことはこれらウイルスの感染性の強さに起因すると考えられる。感染後48時間後にはこの凝集体を持つ細胞の割合は、75%に達した。また、C末端側のAuxiliary domainを欠失させた場合に、このような凝集体は形成されなくなった。BmTRN-1タンパク質過剰発現細胞において、ウイルスのタンパク質生産量やウイルス転写産物量が低下したことから、強毒性ウイルス感染が引き金となって起こる凝集体形成による転写産物の安定性の低下によってウイルス感染細胞のタンパク質生産量を低下させる役目をBmTRN-1は担っていると考えられる。BmTRN-1のRRM領域とAuxiliary domainに変異を持つ変異体タンパク質過剰発現細胞では、BmNPVのタンパク質発現量が増大したことから、このようなRRM領域の一部には転写産物を安定に保ち、核-細胞質問の効率的な輸送を助ける働きもあると考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Functional analysis of the gene of BmTRN-1, an RNA-binding protein homologous to mammalian TIA-1 from the silkworm, Bombyx mori, by its overexpression and subcellular distribution study during the baculovirus infection process2009
Author(s)
Muto, S., Matsumoto, E., Tanabe, T., Mori, H., Kotani, E.
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Journal Title
Journal of Insect Biotechnology and Sericology 78
Pages: 39-51
Peer Reviewed
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[Journal Article] Structure-based targeting of bioactive proteins into cypovirus polyhedra and application to immobilized cytokines for mammalian cell culture2009
Author(s)
Ijiri H, Coulibaly F, Nishimura G, Nakai D, Chiu E, Takenaka C, Ikeda K, Nakazawa H, Hamada N, Kotani E, Metcalf P, Kawamata S, Mori H.
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Journal Title
Biomaterials 30
Pages: 4297-4308
Peer Reviewed
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