2008 Fiscal Year Annual Research Report
鱗翅目昆虫精子が受精可能な状態に成熟する過程で関与する因子のカタログ化
Project/Area Number |
20580052
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
長岡 純治 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 助教 (00303933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白井 孝治 信州大学, 繊維学部, 助教 (00293499)
山本 幸治 九州大学, 農学研究科, 助教 (00346834)
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Keywords | 昆虫 / 酵素 / 生理活性 / 発生・分化 / プロテオーム |
Research Abstract |
カイコガ精子成熟と深く関連をもっていることが予想されている、「アルギニン分解カスケード」に係わっているトリプシン様エンドペプチダーゼ(イニシャトリン)、アルギナーゼをまずその研究対象として取り上げた。1、イニシャトリン候補遺伝子を単離し、前立腺で特異的に発現していることを明らかにした。次に、これを無細胞翻訳系や大腸菌発現系で発現させた。最終的に、大腸菌発現系で発現タンパク質をえて、抗体の作成を行った。同時に、プロテアーゼ活性を有する発現タンパク質の作成方法についても構築した。これらを利用して、イニシャトリンタンパク質の同定とその動態解析を進めている。また、この遺伝子と相同性が高い遺伝子をオオスカシバの前立腺に相当する部位から単離した。2、アルギナーゼは、ユニークな選択的スプライシングにより生殖腺と脂肪体でそれぞれ異なった特異的な遺伝子が発現しているが、そこから作られる両組織特異的アルギナーゼタンパク質の構造には大きな差は認められず、少なくとも大腸菌の発現系で得られた発現タンパク質の酵素学的性質には大きな差が認められないことを明らかにした。また、生殖腺のアルギナーゼタンパク質は分泌タンパク質であるのにもかかわらず、遺伝子から分泌性が予想できず、生殖腺タンパク質の特異な分泌システムの存在が予想された。次に、精子成熟に係わる新規因子を明らかにする目的から、1、アンジオテンシン転換酵素様プロテアーゼ(ACE)が精子成熟に係わっている可能性を見出し、生殖腺部位特異的に発現する2種類のACE遺伝子を単離した。2、一酸化窒素の精子成熟に係わっている可能性を見出し、その合成に係わる一酸化窒素合成酵素(NOS)およびNOS様遺伝子を単離し、同時に、生殖腺部位特異的に発現していることを明らかにした。
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Research Products
(7 results)