2010 Fiscal Year Annual Research Report
2成分性膜孔形成毒素-血球崩壊機構の全貌解明と標的特異的毒素分子設計への応用
Project/Area Number |
20580069
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
金子 淳 東北大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (30221188)
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Keywords | Staphylococcus aureus / 二成分性毒素 / 病原性 / 標的細胞 / 応答 |
Research Abstract |
(1)標的細胞上の初発成分のレセプターの同定:LukS成分と標的膜との相互作用を探るため、そこでLukSとウシ型ロイコシジンのS型成分LukM、並びにLukSとヒト特異的なLukS-PVの様々なキメラ毒素成分を作成した。そのうち、LukSを主体としたキメラに関しては十分量の毒素タンパクを得ることが出来た。これを用い、ヒト白血球の崩壊活性を比較した((3)に記載)さらに小動物に感染し、ヒトにはほとんど感染例がないS.intermediusおよびその関連種の新規2成分性毒素遺伝子の塩基配列を決定し、その推定アミノ酸配列を既知のものと比較した。その結果特にS型成分において、アミノ酸は入れるが具なる領域が3カ所存在することを明らかにした。これらの具なるアミノ酸が標的細胞特有のレセプター認識に関与していると考えられる。一方、昨年γ-ヘモリジンの膜孔形成に伴ない赤血球膜にperoxiredoxinが集積することを見いだしたが、この応答が黄色ブドウ球菌の1成分性膜孔形成毒素αヘモリジンでも弱いながらおきていることを見いだした。 (2)膜孔βバレル形成に必須な構造の解析:これまでに膜孔形成には細胞膜に結合した毒成分のリン脂質コリン残基の認識が必須であると考えてきた。とこが同様の機構で膜孔を形成すると考えられていたαヘモリジンの膜孔形成が、結晶化沈殿剤である2-methyl-2,4-pentanediolの存在下で、膜リン脂質が無くとも起きることを見いだした(Tanakaet.al.2011) (3)白血球系細胞の崩壊機構と組織の壊死の関係:(1)で得られたキメラを用い、白血球崩壊を解析した結果、PVLでは一成分のみで白血球に膜障害を惹起できることを見いだした。(若林ら、日本農芸化学会2011年大会発表)
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Research Products
(2 results)