2009 Fiscal Year Annual Research Report
麹菌由来キシラン分解エステラーゼの構造・機能の解明
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20580071
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
小関 卓也 Yamagata University, 農学部, 准教授 (70372191)
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Keywords | 植物バイオマス / ヘミセルロース / フェルラ酸エステラーゼ / アラビノース結合モジュール / 麹菌 / Aspergillus awamori / Aspergillus kawachii |
Research Abstract |
植物細胞壁成分フェルラ酸やアセチル基は細胞壁の機能に重要な働きをしていると考えられている。フェルラ酸は細胞壁中で糖質ポリマー間の架橋を形成し、細胞壁の機能に重要な働きをしている。なかでも、ヘミセルロースの主要なアラビノキシランは側鎖が非常に複雑で、その分解酵素も主鎖を加水分解するエンド及びエキソ型のキシラナーゼに加えて、α-L-アラビノフラノシダーゼ、α-グルクロニダーゼ、アセチルキシランエステラーゼ、フェルラ酸エステラーゼなどアクセサリー酵素と呼ばれる側鎖を加水分解する酵素が必要とされている。一方、セルラーゼおよびヘミセルラーゼの中には触媒モジュールと触媒効率を高めるとされるセルロース結合ドメインなどの炭水化物結合モジュールとから構成されるモジュラー酵素が存在することが知られている。本年は麹菌Aspergillus kawachiiのα-L-アラビノフラノシダーゼC末端に見出されたキシラン側鎖のアラビノフラノースに特異的に結合する新規なアラビノース結合モジュール(AkCBM42)をA.awamoriフェルラ酸エステラーゼに融合させたキメラ酵素を造成し、未利用植物バイオマスの効率的酵素分解を行うことを目的とした。PCR法により、キメラ遺伝子を作製し、Pichia pastorisを用いて発現させたところ、培養上清中にキメラ酵素として生産され、酵素を精製し、精製酵素を用いてキシラン分解特性等を調べた。その結果、キシランからのフェルラ酸遊離活性は、フェルラ酸エステラーゼに比べて、キメラ酵素で約4倍程度高く、CBM42はキシランの効率的分解に寄与することが明らかとなった。
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Research Products
(12 results)