2010 Fiscal Year Annual Research Report
麹菌由来キシラン分解エステラーゼの構造・機能の解明
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20580071
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
小関 卓也 山形大学, 農学部, 准教授 (70372191)
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Keywords | 植物バイオマス / ヘミセルロース / フェルラ酸エステラーゼ / タンナーゼ / 麹菌 / Aspergillus oryzae / パラベンエステラーゼ |
Research Abstract |
糸状菌由来で一部のフェルラ酸エステラーゼは同じく糸状菌タンナーゼ(EC 3.1.1.20)とアミノ酸レベルでそれほど高くはないものの類似性があり、同じファミリーに分類されている。タンナーゼは茶飲料やワインの混濁防止に欠かせない酵素である。Aspergillus oryzaeのゲノム情報から上記フェルラ酸エステラーゼやタンナーゼの活性中心であるセリン残基近傍のモチーフが一致した遺伝子配列を見いだした。この遺伝子配列は沼A.nigerなど他の糸状菌にも類似配列が存在し、アミノ酸配列全体の相同性はフェルラ酸エステラーゼやタンナーゼとは20%程度と機能的に別個な酵素の可能性が示唆された。そこで、この遺伝子のクローン化と高生産が期待できるPichia pastorisによるリコンビナント酵素の取得、リコンビナント酵素の特性解析を行った。その結果、基質特異性はフェルラ酸エステラーゼ基質、タンナーゼ基質には活性を示さず、4-ヒドロキシ安息香酸エチル、4-ヒドロキシ安息香酸プロピル、4-ヒドロキシ安息香酸ブチルに対して活性を示した。これらはパラベンと称され、抗菌剤として食品、日用品、化粧品等に配合されている。糸状菌由来のパラベンエステラーゼは初めて見出され、本酵素はAoPrbAと命名した。パラベンからアシル基が加水分解された4-ヒドロキシ安息香酸は抗菌性が無くなり、パラベン加水分解酵素はパラベンの抗菌性に対して微生物の防御機構の一つと考えられた。
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[Journal Article] AllantopyronA, a new a-pyron metabolite with potent cytotoxicity from an endop hytic fungus Allantophomopsis lycopodina KS-972010
Author(s)
SHIONO, Y., YOKOI, M., KOSEKI, T., MURAYAMA, T., ABURAI, N., KIMURA, K.
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Journal Title
The Journal of Antibiotics
Volume: 63
Pages: 251-253
Peer Reviewed
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