2008 Fiscal Year Annual Research Report
枯草菌の転写因子DegUによるポリグルタミン酸の生産制御に関する研究
Project/Area Number |
20580084
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
小倉 光雄 Tokai University, 海洋研究所, 教授 (80204163)
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Keywords | 枯草菌 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
枯草菌の持つ2成分制御系のレスポンスレギュレーターDegUは,枯草菌のmotility,外来DNA取り込み能,分泌性プロテアーゼ生産,バイオフィルム形成、ポリグルタミン酸合成などを制御するグローバルな制御因子である。最近、DegUはリン酸化DegU(DegU-P)による自己制御性プロモーターを有する事が示された。本研究では、footprint実験と点変異プロモーターを持つlacZ fusionを用いて、DegU-PのdegUに対する結合部位を明らかにした。Footprint解析で、DegU-Pのみが転写開始点上流-106から-75塩基に弱く、-72から+7領域に強く結合した。前者も後者も、DegU標的配列GNCATTTAのdirect repeat、それぞれDR1とDR2、を含んでいた。EMSA分析で、これらの領域のDegU-Pに対する結合親和性を測定したところ,DR1は親和性が弱く,DR2は高かった事は、footprint実験の結果と良く一致した。次に、各種の点変異や欠失を持つdegU-1acZをamyEに導入した菌株を作製した。これらを用いて、野生型DegUとリン酸化が亢進する変異型タンパク質をコードするdegU32変異の2種の遺伝的背景でLacZ解析を行った。その結果、DR1は野生型DegUのもとではdegU転写に貢献せず、DegU32にのみ応答した。この事はDR1のDegU-Pに対する親和性が低い事と良く一致した。DR2は双方の遺伝的背景でdegU転写に重要だった。また、DR2に点変異を持つように染色体上のdegUプロモーター領域を改変した菌株を作製し、degU転写を測定したところ,ほとんど発現していなかった。この事はDR2のdegU転写における重要性を示している。
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Research Products
(3 results)