2010 Fiscal Year Annual Research Report
枯草菌の転写因子DegUによるポリグルタミン酸の生産制御に関する研究
Project/Area Number |
20580084
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
小倉 光雄 東海大学, 海洋研究所, 教授 (80204163)
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Keywords | 枯草菌 / 2成分制御系 / ポリグルタミン酸 / ATP依存 |
Research Abstract |
DegUのリン酸化を亢進させる遺伝子degQとswarming motilityに必須な遺伝子swrAを実験室菌株に導入すると、PGA生産が起きることが既に知られている。そこで、DegUのリン酸化を亢進させる変異として知られているdegU32とswrAあるいはdegU32単独でPGA生産がどの程度起きるかを検討した。具体的には、pgsB-lacZ発現を測定し、遺伝子発現とPGA生産が比例して増大しているかどうかを調べた。その結果、転写自体はdegU32単独で起きたが(およそ100ミラー単位)、検出可能な水準のPGAは生産しなかった。degU32とswrAが共存した場合、転写は単独に比べて3倍程度になり、PGAも5g/l程度生産した。多コピーdegQとswrAが共存した場合、転写は1000ミラー単位を超えたが、PGA生産は6g/l程度だった。PGA生産には、swrAがpgsB転写以外の何らかの理由で必須である事が分かった。 次にDegUの能動的タンパク分解について検討した。DegUをIPTG依存的に発現させる系を用いて、N末端側のアミノ酸とC末端側のアミノ酸あわせて10残基をそれぞれ側鎖の短いアラニン残基に置換した変異型DegUを枯草菌に発現させた。この系で発現した変異DegUの中から、ClpCPプロテアーゼに抵抗性のDegUをWestern解析にて検索した。その結果、N末端側のアミノ酸変異(V4AとN5A)によりタンパク安定性が増大した。この変異型DegUを持つ菌株はDegUが制御する形質の一つである運動性(swimming motility)が増大していた。
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Research Products
(3 results)