2008 Fiscal Year Annual Research Report
コリネバクテリウム グルタミカムの新規なストレス応答機構
Project/Area Number |
20580085
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
中松 亘 Tokyo Denki University, 工学部, 教授 (40339065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 寿 東京電機大学, 工学部, 教授 (90349788)
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Keywords | コリネバクテリウム / ストレス応答 / アミノ酸発酵 / 機能未知遺伝子 |
Research Abstract |
本研究のターゲットとなっているコリネバクテリウムグルタミカム(Corynebacterium glutamicum)がグルタミン酸を過剰生産する条件で発現量が増加する遺伝子,計7種のうち今年度はNCg12944,NCg12945,NCg12946の3種を主な対象とした。その理由は、発現量の増加が最も著しいこと、これら3種の遺伝子はそれぞれ51,52,56アミノ酸残基より構成される機能未知の低分子量ペプチドをコードすると推定される興味深い遺伝子であること、これら3種のペプチドは相同性が高いことである。 まず、これら遺伝子の増幅株を構築した。これら3種の遺伝子は染色体上に並んで存在すること及び、前記のように相同性が高いことから、染色体上の3遺伝子を含む領域をlacプロモーター下流に連結したプラスミドを作製し、このプラスミドを導入した株を増幅株とした。この増幅株は通常の培養条件下では対照株との差異は認められなかったが、グルタミン酸過剰生産条件下では、生育並びにグルタミン酸生産量は対照と同程度であったが、糖消費量が顕著に減少し、糖消費当たりのグルタミン酸生産量が増大した。次に、染色体上のこれら3遺伝子領域を欠失した遺伝子破壊株を作製した。この破壊株は合成培地での生育が極端に悪く、グルタミン酸生産用培地ではほとんど生育しなかった。複合培地での生育は、培養初期には対照株との差異は僅かであったが、培養中期には差が顕著となり、後期には濁度が減少するという特異な減少が見られた。以上より、本遺伝子はグルタミン酸生産時ばかりでなく、本微生物の生育,生存において重要な役割を担うことが示された。
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Research Products
(1 results)