2008 Fiscal Year Annual Research Report
枯草菌を用いた遺伝子組換えワクチン開発のための基礎研究
Project/Area Number |
20580089
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
高松 宏治 Setsunan University, 薬学部, 講師 (70272151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑名 利津子 摂南大学, 薬学部, 助教 (50330361)
今村 大輔 摂南大学, 薬学部, 助教 (70454650)
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Keywords | 枯草菌 / 胞子 / 遺伝子組換えワクチン / 蛍光タンパク質 / タンパク質局在 |
Research Abstract |
枯草菌GFP株ライブラリー(1,500株)と蛍光顕微鏡を用いて各種タンパク質の局在解析を行った。127種類のタンパク質について、胞子外皮(コート層またはコルテックス層)に存在することが示唆された。抗原提示のための支持体としては、コルテックスタンパク質よりもコートタンパク質が適していると考えられるが、GFPのみを用いた解析で両者を区別することは困難であった。そこで、既知のコートタンパク質YeeK、およびコルテックスタンパク質YhcNのRFP融合タンパク質を用いて、胞子外皮タンパク質の相対的な局在部位を評価する実験系を開発した。YeeK-RFPは内外2層のコート層のうち、内層(inner coat)に存在し、コート外層(outer coat)およびコルテックスの中間に位置することを確認した。従来の技術では、胞子タンパク質の局在部位を詳細に決定することが困難であったため、本研究で新たに開発した2色の蛍光タンパク質を用いる解析法は、本研究の目的のみならず、胞子研究の発展に寄与すると思われる。現在、コート内層および外層のタンパク質を識別するための菌株を作成中であり、YeeK-RFPに対して、CgeA-GFPやCotA-GFPなどが外側に位置することを確認している。また、成熟胞子における抗原支持体タンパク質の安定性も重要であることから、30種類の候補タンパク質-GFP融合体について、室温放置30日経過後の胞子における存在を検討した。CgeA-GFP、CotF-GFP、CotT-GFPなどは、30日経過後も十分な蛍光活性を有していた。これらの結果を得たことで、安定で安価な組換えワクチン開発に一歩近づくことができたと考えている。
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Research Products
(1 results)