2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20580090
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
藤原 伸介 Kwansei Gakuin University, 理工学部, 教授 (90263219)
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Keywords | アーキア / 超好熱菌 / RNAヘリカーゼ / Thermococcus / 膜脂質 / 低温ストレス / シャペロニン / 生育依存性 |
Research Abstract |
本研究は90℃以上で生育する超好熱菌Thermococcus kodakaraensisが、栄養状態や培養温度の変化に応じてどのように恒常性を維持しているのかを明らかにすることを目的としている。前年度に膜脂質成分の変動を調べたところ、増殖条件の悪化に応じて炭化水素鎖の長いカルドアーケオール型脂質の割合が高まることを明らかにした。今回、シス型プレニルトランスフェラーゼについて生化学的解析を行ったところ、産物鎖長の制御には109番目のLysが関与していることが示された。また、温度依存性の発現を示した遺伝子の中で、低温特異的な誘導を示したRNAヘリカーゼ(TK0306)とシャペロニンCpkAに注目し、その性質を調べた。TK0306はT.kodakaraensis由来でありながら、50℃をATPase活性の反応最適温度にもつ。熱に対する感受性が高く、組換えタンパク質は20℃から変性がはじまり、70℃で完全に変性した。unwind活性を調べたところ、二本鎖のRNA、DNAには作用しないが、ステムループ様の構造をとったRNAに作用し、ATP依存的に構造をほぐした(inwind活性を示した)。TK0306は、低温ストレス時に形成される好ましくないRNAの構造をほぐすために働いているものと考えられる。また、本遺伝子の上流には非翻訳領域が存在するが、この領域は低温での特異的発現に寄与している可能性が考えられた。また、低温特異的に誘導されてくる分子シャペロニンCpkAの特異的基質の探索を試みたところ、indole-3-glycerol-phosphate synthase(TrpC)が同定された。TrpCを尿素で変性させ、リフォールディング時にシャペロニンの添加効果を検討したところ、CpkAでは効果がみられたが、高温誘導型シャペロニンCpkBでは効果は認められなかった。
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Research Products
(6 results)